中国 上海 株式市場再開で値動きは 日本時間午前10時半から

中国 上海 株式市場再開で値動きは 日本時間午前10時半から
k10012270041_202002030437_202002030440.mp4
新型のコロナウイルスの感染拡大が続く中国では、感染して死亡した人が300人を超えました。こうした中、旧正月の春節にあわせた休みを延長していた上海の株式市場が3日、取り引きを再開します。感染の拡大による世界経済への打撃に懸念が高まる中、上海の株式市場の連休明け初めての値動きがどうなるか注目されます。
中国の保健当局、国家衛生健康委員会によりますと、中国国内で新型のコロナウイルスに感染して死亡した人は304人、患者の数は1万4380人にのぼっています。

中国政府は感染拡大を抑え込むため、春節の大型連休の期間を延長し先月30日から今月2日に変更しました。この措置を踏まえ、上海の株式市場は連休明けの取り引きの再開日を当初、予定していた先月31日から3日に変更し、現地時間の午前9時半、日本時間の午前10時半から取り引きを再開します。

ただ、新型コロナウイルスの感染拡大を防ごうと上海市や広東省などでは、多くの企業に対してさらに休みを延長するよう求める通達を出して、企業活動の再開を今月10日以降にする措置をとっています。

また、観光施設や飲食店、それに映画館なども当面、閉鎖する措置が相次いでいて、中国の経済成長は大きく減速するのではないかという見方が広がっています。

こうした影響によって世界経済への打撃に懸念が高まり、先週末のニューヨーク株式市場ではダウ平均株価が前の日に比べて600ドル以上値下がりし、ことし最大の下落となっていて、上海の株式市場の連休明け初めての値動きがどうなるか注目されます。

中国各地 企業活動の再開を延期

最も状況が深刻な湖北省では、企業活動の再開を今月14日以降にするほか、上海市、広東省、浙江省、江蘇省、福建省などでは今月10日以降にする措置を取っています。

また北京市では、今月9日までは従業員を出勤させず、在宅勤務とする措置を取りました。これらの措置は電気や水道などのライフラインや交通機関、医療関係、スーパーや物流など、生活に重要な業界は除くとしています。

中国に進出している日系企業の支店や工場など拠点の数はおよそ3万2000に上っていて影響が懸念されます。

また本来の春節の連休が先月30日から2日まで伸びたこともあり、南部、広東省広州の工場が集まる地域では人の姿はほとんどなく、走っている車もわずかで閑散としていました。

近くにある食堂では、工場の従業員が帰省先から戻ってきていないほか、外食を控える動きも出ていることから、ここ最近の売り上げが去年の3分の1に落ち込んでいるということです。

世界の工場とも言われる広東省をはじめ、自動車やスマートフォンなど製造業が集積している沿岸地域で企業活動が再開していない影響は、部品の調達や製品の輸出に支障が出るなど世界の企業に広がることが懸念されます。