新型肺炎 感染のリスクは? 感染症予防の専門家は…

新型肺炎 感染のリスクは? 感染症予防の専門家は…
中国の湖北省武漢から帰国し、新型コロナウイルスに感染したうちの2人に症状が無かったことについて、専門家は「一般的にウイルス性の感染症は、症状がない状態だと、体内にあるウイルスの量は少なく、ほかの人に感染させるリスクは小さい」と話しています。
感染症の予防対策に詳しい東北医科薬科大学の賀来満夫 特任教授は、一般的に、インフルエンザやノロウイルス感染症など、ウイルスで感染する病気では自覚症状がないケースは多数みられるとしています。

そのうえで「人への感染が成立するかどうかはウイルスの量によって決まる。症状が出ないということは体内にあるウイルスの量が少ないと考えられ、ほかの人に感染させるリスクは小さいため、この点では過剰に心配する必要はない」と話しています。

また、賀来特任教授は「中国でどこに行き、誰と接触したのかなど、具体的な情報を聞き出したり、体調の変化や体内にあるウイルスの量などを観察したりすることで、感染源や病態について詳細に知ることができる」と話していて、感染が確認された帰国者から得られる情報を、今後の感染対策に生かすべきだとしています。

一方で、新型コロナウイルスはこれまでに経験したことがなく、感染が広がるおそれはあるとして「検査する対象を広げて警戒を強めたり、一人一人が感染させない姿勢で手洗いや消毒の徹底を励行するなど、一丸となって対策に取り組む必要がある」と話しています。