参院予算委 新型肺炎 憲法 北朝鮮問題などで論戦

参院予算委 新型肺炎 憲法 北朝鮮問題などで論戦
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参議院予算委員会は午後も行われ、新型コロナウイルスによる肺炎への政府の取り組みや憲法改正、それに北朝鮮問題などについて論戦が交わされました。

党本部から1億5000万円

立憲民主党の杉尾秀哉氏は、去年の参議院選挙の前に自民党の河井案里氏側に党本部から合わせて1億5000万円が振り込まれていたことについて「自民党の下村選挙対策委員長も『私にとっても想像を超えている。ちょっとケタが違う』と言っている。安倍総理大臣の判断なのか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「一般論として申し上げれば、政党本部から政党支部への政治資金の移転は何ら問題ないと認識をしている。政治資金の運用については党本部、執行部に任せており、個別には承知をしていないし、報告は受けていない」と述べました。

憲法改正

社民党の福島副党首は、憲法改正に関連し「安倍総理大臣は記者会見で憲法改正について『私自身の手で成し遂げていく考えに揺るぎはない』と言っているが、総理大臣には権限はない。発言が間違っているのではないか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「記者会見ではいわば自民党の党首という立場でも聞かれているので決意を披れきしたものだ。憲法67条の規定に基づき、国会議員の中から指名された内閣総理大臣である私が、憲法に関する事柄を含め、政治上の見解、行政上の事項などについて説明を行い、国会に対して、議論を呼びかけることは禁じられているものではない」と述べました。

拉致問題

国民民主党の森ゆうこ氏は、北朝鮮による拉致問題について「安倍総理大臣は『キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長と条件をつけずに会う』と去年から言ってきたが、会談の実現に向けて、日本側から何か働きかけをしてきたのか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「こんにちに至るまで全員の帰国に至っていないことは痛恨の極みだが、私は条件をつけずにキム委員長と向き合う決意だ。あらゆる外交的な努力を尽くしており、トランプ大統領や習近平国家主席、ムン・ジェイン(文在寅)大統領からも私の意向や考え方を伝えてもらっている。首脳会談については現時点では何も決まってないが、あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動していきたい」と述べました。

新型肺炎

自民党の藤井基之氏は、新型コロナウイルスによる肺炎が相次いでいる問題で「感染の状況は必ずしもいい方向に行っているとは言えない。日本でも、人から人への感染を疑われる報道があった。緊急に早急に対策をとらなければならない」と指摘しました。
これに対し、安倍総理大臣は「きょう帰国した206名のうち、体調不良の5名は専門の医療機関で検査と診察を受けていただいており、その他の方々についても健康状態をしっかりと確認させていただき健康面でのケアに万全を期していく考えだ。感染拡大の防止に向けて全力を挙げていく」と述べました。
また、茂木外務大臣は「希望者全員を帰国させるにはチャーター機はあと2便ぐらい必要だ。現地では医務官や中国語を話せる専門家がオペレーションに当たっており、ニーズを聞きながら対応を決めていきたい」と述べました。

習近平国家主席 日本訪問

自民党の三宅伸吾氏は、中国の習近平国家主席の日本訪問について「日中関係は改善の度が高まりつつあるが、中国公船の尖閣諸島海域への不法侵入、新疆ウイグル自治区の人権問題など、わが国の普遍的価値観と異なる部分もある。国賓として迎える以上、日本側から求める条件はないか」と質問しました。
これに対し、安倍総理大臣は「中国の国家主席はこれまでいずれも国賓で訪日している。今回の訪問を日本と中国が地域や世界の平和と繁栄に責任を果たしていくという強い決意を世界に示す機会としたい。同時に中国との間にはさまざまな懸案が存在しており、今後とも引き続き主張すべきは主張していきたい」と述べました。