キヤノン 経済減速で最終利益50%減 新型肺炎の影響も注視

キヤノン 経済減速で最終利益50%減 新型肺炎の影響も注視
キヤノンの去年1年間の決算は、世界経済の減速を背景に最終的な利益が前の年と比べて50%余りの減少になりました。この1年の業績予想については、米中の貿易交渉の進展への期待などから増収増益を見込んでいますが、会社は感染が拡大している新型のコロナウイルスの影響も注視したいとしています。
キヤノンが発表した去年12月までの1年間の決算によりますと、売り上げは前の年と比べて9.1%少ない3兆5932億円で、最終的な利益は50.5%少ない1251億円でした。

これは、中国や新興国などの世界経済の減速を背景に、主力のデジタルカメラやレーザープリンターの販売が落ち込んだことや、円高傾向だったことが主な要因だとしています。

一方、ことし12月までの1年間の業績の予想は、米中貿易摩擦の緩和や新興国経済の回復見通しなどから売り上げ、最終利益ともに回復し、増収増益になると見込んでいます。

ただ、感染が拡大している新型のコロナウイルスの影響は、今の時点で考慮に入れていないということです。
キヤノンの田中稔三副社長は記者会見で「コロナウイルスは中国だけでなく、日本や世界経済全体にも影響は考えられる。今後の動向を注視するが、少しでも小さな範囲で収まることを期待している」と述べました。