「感染力 やや強くなったか」新型肺炎で中国当局

「感染力 やや強くなったか」新型肺炎で中国当局
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新型コロナウイルスの感染が拡大する中国では、患者の数はこれまでに1975人、死亡した人は56人に上っています。中国の保健当局は「ウイルスの感染力がやや強くなっているとみられる」などと危機感を示したうえで、感染の拡大を抑え込むためあらゆる対策をとる考えを示しました。
中国の保健当局によりますと、重い肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染が確認された患者の数は、最も深刻な湖北省の武漢を中心に1975人、死亡した人は56人に上っています。

患者は中国本土以外の13の国と地域でも確認されていて、患者の数は世界中で2000人を超えています。

中国政府の保健当局、国家衛生健康委員会の馬暁偉主任は26日北京で記者会見し、新型コロナウイルスについて「最近の臨床データから見て、感染力がやや強くなっているとみられる」と指摘しました。

潜伏期間については「だいたい10日前後で、最も短いと1日で発症し、最長で14日だ。潜伏期間中にも感染する性質があり、この点がSARSとは大きく異なる」と述べました。

そのうえで「感染拡大のスピードは一層速くなっており、患者数は今後も一定程度は増えるだろう」と述べて危機感を示しました。

また馬主任は「武漢以外での感染拡大を抑え込めるかの分岐点に来ている」と指摘した一方で、「感染の防止に向けた『人民戦争』を闘い、勝利する自信と能力がある」と強調し、感染の拡大を抑え込むためにあらゆる対策をとる考えを示しました。

広東省当局 マスク着用しなければ処罰も

南部 広東省の保健当局は26日、ホテル、公園、商業施設、繁華街、交通機関など人が多く集まる公共の場所ではマスクをつけるよう求める通告を出しました。

従わない場合は関係部門が法律によって処理するとしていて、場合によっては処罰するなどとしています。

バスなど運行停止をすぐ撤回 混乱回避か

広東省汕頭の当局は26日、市内のバスやタクシーなどの運行を取りやめると発表しましたが、およそ3時間後、一転してこの発表を撤回しました。

そして、バスやタクシーなどは消毒作業を行ったうえで通常どおりの運行を行い、車や船、人や物資の出入りは制限しないと新たに発表しました。

地元当局は発表を撤回した理由を明らかにしていませんが、中国国内では市民が食べ物などの買いだめに殺到する様子の写真が一時、インターネット上に掲載され、一層の混乱が生じないよう、地元当局が急きょ対応を見直したという見方も出ています。

会見ですべての記者・カメラマンに体温検査

26日午後、北京で開かれた中国の保健当局による記者会見では、会見場に入る際にすべての記者やカメラマンに対して体温検査が行われました。

会見場では、ほとんどの記者やカメラマンがマスクをつけて取材に臨んでいました。

日本人学校 春節の連休を延長

中国大陸にある日本人学校では26日夕方の時点で、今月30日までの春節の大型連休に合わせた休暇期間を延長するところが相次いでいます。

▽上海、広東省広州、天津では学校再開を2月17日とし、
▽江蘇省蘇州、浙江省杭州が2月10日としました。

これらの学校は、地元当局から通知があったり自主的に判断したりしたということです。

▽北京と山東省青島は、地元の当局から再開していいと通知があるまで臨時休校を続けるとしています。

▽遼寧省大連と広東省深※センは、対応を検討中だとしています。
※センは土偏に川。