年金支給額 2年連続引き上げも伸び率は0.2%に抑制

年金支給額 2年連続引き上げも伸び率は0.2%に抑制
ことし4月からの年金支給額は2年連続で引き上げられるものの、将来の年金を確保するため、物価や賃金の上昇よりも低く抑える「マクロ経済スライド」が2年続けて発動され、伸び率は0.2%に抑制されることになりました。
年金の支給額は、物価や賃金の変動に応じて毎年、改定されることになっていて、厚生労働省は24日、ことし4月からの公的年金の支給額を発表しました。

それによりますと、去年1年間で物価水準は0.5%、賃金水準は0.3%それぞれ上昇しました。

物価の伸びが賃金の伸びを上回る場合、賃金の伸び率に合わせて改定することになっていて、年金支給額は本来0.3%の引き上げになります。

「マクロ経済スライド」で実質的には目減り

ただ、将来の年金を確保するため、年金支給額の伸びを物価や賃金の伸びよりも低く抑える「マクロ経済スライド」を2年連続で実施し、0.1%を差し引くとしています。

その結果、4月からの支給額は2年続けての引き上げとなるものの、伸び率は0.2%に抑えられます。

これにより国民年金の1か月当たりの支給額は満額で、今年度2019年度より133円増えて6万5141円に、厚生年金は夫婦2人の標準的な世帯で458円増えて月額22万724円となります。

いずれも額面は増えますが「マクロ経済スライド」により伸び率を抑えたため、実質的には目減りすることになります。

「マクロ経済スライド」2年連続の発動は初

「マクロ経済スライド」は、年金支給額の伸び率を、物価や賃金の上昇よりも低く抑える仕組みです。

現行の公的年金制度は、現役世代が納める保険料などによって高齢者の年金給付を賄う仕組みになっていますが、少子高齢化で、支え手の現役世代が減る一方、年金を受け取る高齢者は増加する見通しです。

ただ、現役世代の保険料を際限なく上げることはできないため、保険料は上限が決められています。

このため、給付水準を抑える調整を行わなければ、収支のバランスが保てないとして、2004年の法改正で導入されました。

発動には、物価と賃金がいずれも上昇することが条件となっています。

これまでに、2015年度と2019年度の2回発動されていて、2年続けての発動は初めてとなります。