新型ウイルス肺炎 WHOが委員会 「緊急事態」かどうか判断へ

新型ウイルス肺炎 WHOが委員会 「緊急事態」かどうか判断へ
WHO=世界保健機関は、中国で新型のコロナウイルスによるとみられる肺炎の患者が増えていることについて対応を協議するため、日本時間の午後8時すぎから緊急の委員会を開いています。委員会では最新の感染状況などを踏まえて「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」にあたるかどうか判断する見通しです。
新型のコロナウイルスによるとみられる肺炎は、中国の湖北省武漢を中心に感染が広がり、中国のほかに日本やアメリカなどでも患者が確認されています。

こうした事態を受けてWHOはスイスのジュネーブにある本部で日本時間の午後8時すぎから、中国や日本、アメリカなど各国の専門家や保健当局の担当者など合わせて20人以上が参加する緊急の委員会を開き、対応を協議しています。

委員会では、電話で各地を結んで最新の状況についての報告が行われ、専門家が国を超えて感染が広がるおそれのある「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」かどうか判断する見通しです。

WHOはこれまでに2009年の豚インフルエンザや、去年のエボラ出血熱などで「緊急事態」を宣言しています。

今回、委員会が「緊急事態」と判断した場合、WHOは空港や港での検疫の強化といった対策を各国に勧告するとみられ、感染の拡大を防ぐ国際的な対応が求められることになります。

WHOによる過去の「緊急事態宣言」

WHO=世界保健機関の「緊急事態」は、2003年に中国やアジア各地を中心に広がった新型肺炎「SARS」での対応を踏まえて、2005年に改正された「国際保健規則」に基づいて宣言されます。

「緊急事態」は、▼病気が国際的に拡大し、ほかの国に公衆衛生上の危険をもたらすとみられ、▼緊急に国際的な対策の調整が求められるときに、WHOのトップ、事務局長が、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」として宣言することになっています。

これまでに「緊急事態」が宣言されたのは、
▼2009年4月に、当時、新型とされたインフルエンザが世界的に拡大したとき、
▼2014年5月に、手足のまひなどを引き起こす、ポリオへの感染者がパキスタンやシリアなどアジアやアフリカ諸国で増えたとき、
▼2014年8月に、致死率が高いエボラ出血熱が西アフリカのリベリアなどで広がったとき、
▼2016年2月に、妊娠中の女性が感染すると生まれてくる赤ちゃんに小頭症などの障害が出るジカ熱がブラジルなど中南米で拡大したとき、
それに、▼去年(2019)7月に、エボラ出血熱がアフリカ中部のコンゴ民主共和国やウガンダで広がったときの5回あります。

緊急事態宣言が出されると、WHOは加盟国に対し、事務局長が勧告を出すことになっています。

勧告は、感染の拡大を防ぐことや、人やモノの移動について不必要な制限をしないという観点も考慮して出されます。

これに基づいて、各国は対応を取ることになっていて、たとえば去年、エボラ出血熱に関して緊急事態宣言が出されたとき、厚生労働省は、病気が発生している国に行く際には発生地域には近づかず、患者への接触を避けるなどといった行動を呼びかけるとともに、帰国時の検疫への協力を呼びかけました。