24時間営業取りやめ “深夜はSNSで代用”の時代へ

24時間営業取りやめ “深夜はSNSで代用”の時代へ
k10012252461_202001201931_202001201933.mp4
ファミリーレストラン最大手「すかいらーくホールディングス」が、半世紀にわたって続けてきた24時間営業をすべての店でやめることになりました。24時間営業を廃止する動きが広がっている背景に若者を中心にライフスタイルが大きく変化していることがあります。

広報担当「深夜の利用客はSNSで代用か」

すかいらーくホールディングスの広報担当者、伊藤宏泰さんは今回の措置の背景について「若者のグループや深夜の仕事帰りの方々などたくさんの人が深夜のレストランを利用した時代もあった。しかし、夜更かしをしたくないなど健康を意識する層が増えているという面はある。また、SNSの発達でわざわざ顔を合わせなくてもコミュニケーションがとれる時代になり、深夜の利用客はSNSで代用するようになったかもしれない。客数がピークとなっている時間帯では、顔を合わせて食事を楽しむ場が貴重になっていると考えられる」と話しています。

専門家「人口密集エリア除けば7、8割は脱24時間に」

外食産業に詳しい野村総合研究所の倉林貴之上席コンサルタントは、外食での24時間営業見直しの背景にはウーバーイーツなど食事の配達代行サービスの普及や若者のコミュニケーションの変化があると指摘しています。

倉林さんは「レストランの食事を家まで運んでくれるサービスが普及してくると店までわざわざ行くという行動が減ってきており、お客さんがあまり来ない時間帯は店を閉めてしまったほうが経営上プラスであるというのが増えてきている。直近2、3年間でいうと、東京都心など人口が密集するエリアを除けば7割、8割くらいの店舗は24時間営業を取りやめる流れになるのではないか」と話しています。

そのうえで倉林さんは「ただ、その先の4年後、5年後となってくると5GやIoTの普及によってデジタル化が進んでいくことで無人で運用できたり1人で対応できる店舗が実現して広く普及してくると人件費があまりかからなくなってくるので、もう一度24時間営業に戻ってくるという流れも生まれてくると思われる」と指摘しています。

24時間営業 始まったのは48年前

すかいらーくがファミリーレストランの24時間営業をはじめたのは1972年、いまから48年前のことです。

若い世代や深夜も働く人たちからの「深夜も集まって食事ができる場所がほしい」という声にこたえる形で24時間営業を始めました。当初は数店舗でしたが、営業する店舗数が増えるのに伴って全国に広がり、他社も相次いで24時間営業に踏み切りました。

24時間営業の店舗は終電に乗り遅れた人が始発を待つ間過ごしたり若者が集まってさまざまな情報を交換したりする場としても利用されてきました。

しかし、最近は深夜の時間帯の利用者が減少する傾向にあります。

外食の市場調査などを行っているリクルートライフスタイルが深夜の飲食店の利用状況について、去年10月に首都圏と関西、それに東海地方でおよそ1万人を対象に調査したところ「1年前と比べて深夜の外食が減った」と答えた人は23.3%で「増えた」と答えた4.7%を大きく上回りました。

また、飲食店の深夜営業について「必要性を感じる」と答えた人は13.5%だったのに対し「必要性を感じない」は68.3%に上っています。ではなぜ、深夜の利用者が減少する傾向にあるのか。

すかいらーくが背景にあると考えているのが若者を中心としたコミュニケーションの変化です。

LINEなどSNSの普及に伴って、わざわざ深夜にファミリーレストランに集まって情報を交換しなくても、仲間どうしの情報交換が手軽にできるようになりました。

会社によりますと、かつては午前0時から6時の売り上げが1日の売り上げの1割をこえる店もありましたが、最近は減少傾向にあるということです。

広がる24時間営業見直し 外食・小売業界でも

24時間営業を見直す動きは外食業界や小売業界でも広がっています。

外食業界では、ロイヤルホストとサイゼリヤがすべての店舗ですでに24時間営業を取りやめていて、営業時間の短縮を進めています。

このうちロイヤルホストでは24時間営業をやめたことで女性のパートを確保しやすくなったほか、多くの客が訪れる昼食と夕食の時間帯のサービスを充実させることで売り上げが伸びたということです。

今回、24時間営業の廃止を決めた、すかいらーくでも昼食や夕食の時間帯に従業員を重点的に配置してサービスの質を高めるとともに、年々増えている女性や高齢者の従業員が働きやすい環境を整えたいとしています。

また、コンビニ業界でも24時間営業を前提としてきたビジネスモデルの見直しが進んでいます。

セブン‐イレブンは去年11月から時短営業を認めていて、来月までに132店舗が本格的な時短営業となる予定です。

ファミリーマートは本部と加盟店の契約を見直し、ことし3月からオーナーの希望に応じた時短営業を認めることを決めています。

また、以前から営業時間の短縮を認めていたローソンでは時短営業の店舗がことし1月の時点で155店舗と去年2月から4倍近く増えました。