ギリシャ ガス田開発めぐりトルコをけん制

ギリシャ ガス田開発めぐりトルコをけん制
ギリシャ政府は、東地中海のガス田の開発をめぐってあつれきを深めるトルコが、北アフリカのリビアの暫定政府と排他的経済水域を設定したことに反発し、リビアの暫定政府と対立する軍事組織のトップを招いてトルコを強くけん制しました。
ギリシャは、イスラエルやキプロスなどと東地中海を横断するガスパイプラインの建設を目指していますが、同じく東地中海でのガス田開発に独自に乗り出すトルコが、去年11月、対岸に位置するリビアの暫定政府との間でパイプラインのルートを妨げる形で排他的経済水域を設定したことから双方のあつれきが深まっています。

ギリシャ政府は17日、首都アテネにリビアの暫定政府と対立する軍事組織のトップ、ハフタル氏を招き、ミツォタキス首相やデンディアス外相が相次いで会談を行いました。

会談のあとギリシャ政府は、トルコとリビアの暫定政府が設定した排他的経済水域は、無効だということで一致したと発表するなど、ハフタル氏との協力関係をアピールしトルコを強くけん制しました。

国が東西に分かれて戦闘が続いてきたリビアをめぐっては、今週末にドイツで暫定政府のシラージュ首相とハフタル氏を招いて国際会議が開かれます。

アメリカやロシア、トルコなどの関係国も参加して双方が停戦で合意できるよう協議を行うとみられますが、各国の思惑は一致しておらず駆け引きが激しくなっています。

ガス田開発 トルコ反発の背景には

東地中海では、2009年以降、ガス田の発見が相次ぎ、ヨーロッパも含めた広い地域でエネルギー事情を変える可能性を秘めていると期待されています。

イスラエルやエジプト、ギリシャなど沿岸の国や地域は、エネルギー協力を進めていますが、トルコはこうした各国の動きには反発していて、独自にガス田開発を進めています。

その背景にあるのが、東地中海にある島、キプロスの扱いをめぐる各国との対立です。キプロスでは、1974年に多数派のギリシャ系住民がクーデターを計画したのをきっかけに、島の北側に住む少数派のトルコ系住民を保護するためとして、トルコが軍の部隊を派遣しました。その後、島の北側は1983年に独立を宣言し、トルコが承認しました。

これに対して、EU=ヨーロッパ連合は、ギリシャ系住民の多い南側を「キプロス共和国」として2004年に加盟を認めました。

キプロスでは40年以上にわたって南北に分断された状態で、北側を支持するトルコと、南側を支持する国々との対立が続いています。

こうした中、キプロスの南側の沖合でガス田が発見されると、トルコは、北側のトルコ系住民にも権利があると主張しました。

このガス田の一帯では、キプロスの南側とほかの沿岸国が合同でガスパイプラインを建設する構想を進めていますが、トルコは去年11月、対岸に位置する北アフリカのリビアの暫定政府との間で、パイプラインのルートを塞ぐように、EEZ=排他的経済水域を設定する協定を結びました。

これについて、トルコのエルドアン大統領は、16日の演説で、「トルコとリビアの承諾なくして両国の間の地中海の海域で採掘を行ったり、パイプラインを通すのは法的に不可能となった」と述べ、トルコとキプロスの北側の権利を守ると強調しました。

また、16日に開かれた「東地中海ガスフォーラム」の閣僚級会議について、トルコ外務省の報道官は、声明を発表し、トルコとキプロスの北側を排除しようとする動きで地域の平和と協力に役立つことはないとけん制しました。