第162回直木賞に川越宗一さんの「熱源」

第162回直木賞に川越宗一さんの「熱源」
第162回芥川賞と直木賞の選考会が東京で開かれ、直木賞に川越宗一さんの「熱源」が選ばれました。

川越さん 初めての候補での受賞

直木賞の受賞が決まった川越宗一さんは、大阪市出身の41歳。大学を中退後、カタログ通販会社に勤め、仕事のかたわら30代半ばから小説を書き始めて、おととし「天地に燦たり」で松本清張賞を受賞してデビューしました。

直木賞は今回、初めての候補での受賞となりました。

受賞作の「熱源」は、明治時代から第2次世界大戦にかけての樺太、今のサハリンを舞台に、日本の同化政策によって故郷を追われたアイヌの男性と、囚人として送られてきたポーランド人の民族学者が、戦争に巻き込まれながらも自分が守るべきものを模索しながら力強く生き抜く姿を史実を踏まえて描いた作品です。

みずからのアイデンティティーを脅かされる苦悩や憤りなどが丁寧に描かれ、現代にもつながるマイノリティーの問題とどう向き合うかを読者に問いかけています。