イラン“核合意破り” 仏・独・英 制裁再開につながる手続きへ

イラン“核合意破り” 仏・独・英 制裁再開につながる手続きへ
イランが核合意の制限を破る形でウラン濃縮活動の強化などを進めていることについてフランス、ドイツ、イギリスの3か国は、合意の義務が果たされていないとして、国連の制裁再開につながる手続きに踏み切りました。イランは反発していて、核合意の維持が一段と難しくなるのは避けられない情勢です。
イランは核合意から一方的に離脱し経済制裁を再開させたアメリカへの対抗措置として、合意の義務の履行を段階的に停止し、今月5日には核合意で定められた制限に従わずウランの濃縮活動を強化すると発表しました。

フランス、ドイツ、イギリスの3か国の外相は14日、共同声明を出して、「われわれに残された選択肢はない」として核合意で定められた紛争解決の手続きに踏み切ると発表しました。

手続きでは、核合意に参加している国で合意違反について閣僚級などの協議を行い解決を目指しますが、解決ができなかった場合は国連の安全保障理事会をへてイランに対する制裁が全面的に再開されることになります。

3か国は手続きの目的はあくまで核合意の維持だと強調しています。

ヨーロッパ各国は、アメリカが核合意から離脱して以降もイラン側が求める経済支援策などで協議を続けてきましたが、制限を破るイランに対して厳しい手段をとった形で、核合意の維持が一段と難しくなるのは避けられない情勢です。

イラン「制度を悪用するなら 結果を覚悟」

イラン外務省のムサビ報道官は声明を発表し、この中で「制度を悪用するならば、各国はそれがもたらす結果を覚悟しなければならない」として、ヨーロッパ各国を批判するとともに手続きをとることが重大な結果を招くとして、警告しました。

一方、声明では「イランはこの国際的な合意を守るための善意や建設的な努力とは向き合うつもりだ」として核合意を崩壊させたくない考えも強調しています。

イランは、アメリカが核合意から離脱し制裁を発動させたことで合意で約束された経済的な利益が得られていないとして、ウラン濃縮活動を強化するなど段階的に制限を破る対抗措置をとり、さらなる措置としてIAEA=国際原子力機関の査察を一部制限することなども検討してきました。

ヨーロッパ側が制裁の全面的な再開につながりかねない手続きをとったことで、イランとしては反発をいっそう強めることが予想されます。

英 ジョンソン首相「『トランプ合意』に取り替えよう」

フランス、ドイツ、イギリスの3か国の声明に先立ち、イギリスのジョンソン首相は14日公共放送BBCのインタビューに答えました。

この中で、「現在の核合意を無効にするなら、代替策が必要だ。『トランプ合意』に取り替えよう」と述べ、核合意から離脱したアメリカを交えた合意が必要だという考えを示しました。

アメリカのトランプ大統領は、前のオバマ政権下で締結された核合意に変わる、新たな合意を目指すべきだとしています。

これについてBBCは、「核合意は、アメリカが加われるような内容にすべきだと考えていることを示した発言だ」と伝えています。

一方、イギリスのラーブ外相は議会で紛争解決の手続きについて説明し、「イランに核合意を完全に順守させる」と述べて、あくまでイランの核開発に歯止めをかけることが目的だとしています。