東京パラ 能力主義広がる懸念も 共生社会考える講演会で

東京パラ 能力主義広がる懸念も 共生社会考える講演会で
東京パラリンピックを通じた共生社会について考える講演会が開かれ、みずからも障害がある専門家が、運動能力が高いアスリートが注目されることで、能力をもつ人が評価される能力主義が広がるおそれがあると指摘し、その能力を発揮させた支援のほうにも注目してほしいと述べました。
14日、都内で日本財団が開いたワークショップでは、みずからも脳性まひがあり、障害者と社会の関わりについて研究している、東京大学の熊谷晋一郎准教授が講演しました。

この中で熊谷准教授は、パラリンピックは障害者が能力を競い合う舞台なので、相模原市の障害者施設で入所者19人が殺害された事件の背景にある、能力主義や優生思想が意図せず広がってしまうおそれがあると指摘しました。

そして、本来は障害者が適切な支援によって、能力を発揮できることと、能力の有無にかかわらず誰もが尊厳ある人生を歩む権利があることの両方を、実現させることが大切だと説明しました。そのうえで熊谷准教授は「パラリンピックでは能力主義に偏りがちなのが現状だ。どのような支援によってアスリートのパフォーマンスが発揮されたのかを知ることが、障害者への差別や偏見を減らすことにつながるのではないか」と述べました。

熊谷准教授は今後、海外の専門家とも協力して、東京パラリンピックが社会に与える影響について、研究を続けることにしています。