去年の企業倒産増加 人手不足や後継難で事業継続断念

去年の企業倒産増加 人手不足や後継難で事業継続断念
去年1年間に倒産した企業の数が、前の年より増えました。後継者のいない企業や人手不足で従業員を確保できず、事業の継続を断念する企業が増えているのが主な要因です。
民間の信用調査会社帝国データバンクによりますと、去年、1000万円以上の負債を抱えて法的整理に至り、倒産した企業の数は8354件で、前の年に比べて291件、率にして3.6%増えました。

この会社のまとめでは、2年ぶりに倒産件数が増加しました。

倒産の理由をみますと、460件は高齢になった経営者の後を継ぐ人材が見つからず、事業の継続を諦めたことが原因とみられます。

また185件は、必要な従業員を確保できなかったことが理由でした。

いずれも過去最多となり、人手不足などによって事業の継続を断念する企業が増え、全体の倒産件数を押し上げた形です。

また、別の民間の信用調査会社「東京商工リサーチ」のまとめでは、私的整理も含んだ去年の企業倒産は8383件と、前の年より1.7%増えました。

リーマンショックの影響を受けた2008年以来、11年ぶりに前の年を上回ったとしています。

いずれの信用調査会社も、後継者難や人手不足に加え、人件費や原材料費、物流費が上昇し中小企業の負担が増えていることから、ことしも倒産が増加するのではないかとみています。

経団連会長「人手不足に加え デジタル化の進展も影響」

去年1年間に倒産した企業の件数が、前の年より増えたことについて、経団連の中西会長は14日の記者会見で「人手不足という日本が抱える課題に加えて、デジタル化の進展でビジネスモデルが変わり、いいものを作っても売れないという、現実の難しさが出てきたのではないか」と述べました。

またこのところ業績が堅調で黒字経営でも、早期退職を募る企業が相次いでいる背景について、中西会長は「ビジネスモデルを変えなければいけないという話と、人手不足の時代だからこそ新たな職業転換の機会もあるので、それほど大きな抵抗感はなくできるのではないかという話との両方の面があると思う」と述べ、人手不足で再就職の機会が得やすいことも、背景にあるのではないかという認識を示しました。

そのうえで「経営者は大きな構造改革を行うときに、赤字か黒字かにかかわらず、往々にしていちばん最適で組織が強くなる人事構成を考えるものだ」と指摘しました。