フィリピン マニラ近郊の火山が噴火 空の便への影響拡大

フィリピン マニラ近郊の火山が噴火 空の便への影響拡大
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フィリピンの首都マニラ近郊の火山が12日噴火した影響で、マニラ国際空港を発着する250便余りが欠航し、空港には多くの人が詰めかけて混雑しています。
フィリピンでは12日午後、首都マニラの南、およそ60キロのところにあるルソン島のタール火山の火口付近で、大規模な水蒸気爆発と見られる噴火が起き、噴煙は高さおよそ1万5000メートルに達しています。

首都近郊にあるマニラ国際空港では12日に続いて13日も滑走路を閉鎖し、降り積もった火山灰を取り除く作業を行った後、運航を再開させましたが、成田を結ぶ便など合わせて252便が欠航しました。

空港には多くの人が詰めかけ、今後の運航スケジュールなどを聞いていました。

13日カンボジアに向かう予定だった日本語教師の女性は「いちばん早い便で3日後になるといわれた。カンボジアの職場に遅れると謝ったがまさか火山の噴火と重なるとは思わなかった」と話していました。

マニラでは健康への影響から市内の公立学校が13日休校となっていて、日本人学校も休校となりました。

マニラ日本人学校の梶山康正校長は「安全第一に今後の対応を検討したい」と話しています。

フィリピンの火山地震研究所は、今後数日以内に大規模の噴火が起きるおそれがあるとして、火山周辺の自治体に対し住民を避難させるよう呼びかけています。

日本の航空会社も欠航

フィリピンでの火山噴火による火山灰の影響で、日本の航空会社の運航にも影響が出ています。

このうち、日本航空では、13日、マニラと成田・羽田を結ぶ合わせて2便が欠航したほか、航路上の噴煙の影響で成田とグアムを結ぶ2便も欠航しました。また、パラオとシドニーから成田に向かう便も噴煙を避けて飛行するため、2便で遅れが出ているということです。

ジェットスター・ジャパンは、マニラと成田・中部を結ぶ13日の4便すべてが欠航しました。

全日空では、マニラと羽田・成田を結ぶ合わせて3便が欠航しました。

スカイマークでは成田とサイパンを結ぶ2便が欠航しました。

また14日は機材繰りの影響で、ジェットスター・ジャパンはマニラと成田・中部を結ぶ2便が欠航するということです。

航空各社では最新の運航情報をホームページなどで確認するよう呼びかけています。

タール火山とは

フィリピンの火山地震研究所によりますと、タール火山は首都マニラの南およそ60キロのルソン島にある火山です。

標高は311メートル、壮大な景色を楽しめるとして観光客の人気を集めています。

タール火山の噴火は、1977年以来、43年ぶりだということです。

現地メディアなどによりますと、タール火山はフィリピンで2番目に活動が活発な火山で、1911年には大きな噴火があり、1300人以上が犠牲になったほか、1965年から1977年にかけてたびたび噴火が確認されたということです。

専門家「噴火活動の推移に注意」

去年9月にタール火山に調査に訪れるなど、タール火山の活動に詳しい東海大学の大場武教授は今回の噴火について、「噴火の初期の段階では噴煙が白っぽいことから、マグマから伝わった熱で地下水が熱せられて起きる『水蒸気噴火』だったとみられる。その後、高温のマグマそのものが噴出する『マグマ噴火』へと移行し、噴煙が1万メートルを超える高さまで上がったのではないか」と指摘しました。

大場教授によりますと、タール火山では去年5月ごろから火口付近を震源とする火山性地震が活発となって次第に体に感じる地震も増えていたほか、火山ガスの成分に変化がみられるなど活動の高まりを示す現象が観測されていたということで、現地の研究者からは噴火を懸念する声も聞かれていたということです。

タール火山の今後の噴火活動について、大場教授は「1911年の噴火でも最初に水蒸気噴火が発生し、その数日後に大規模な噴火が起きて多数の死者が出た。必ずしも同じ経過をたどるとは限らないが、今後さらに規模の大きな噴火が発生する可能性はある。タール火山やその周辺は観光地にもなっているほか、多くの人が生活している。しばらくの間は噴火活動の推移に注意し、現地当局の規制に従って絶対に近づかないようにするべきだ」としています。