台湾総統選から学ぶ“中国との関係”の歴史

台湾総統選から学ぶ“中国との関係”の歴史
台湾では総統選挙の投票が始まり、中国との距離の取り方を最大の争点に中国に強い姿勢を示す与党・民進党の蔡英文総統が再選するのか、中国との関係改善を訴える最大野党・国民党の韓国瑜氏が政権を奪還するのかが焦点です。台湾の総統選挙は政治体制の民主化が進む中で1996年に初めて直接投票になり、それ以降、4年に1度行われています。毎回、中国との関係が大きな争点となり、激しい選挙戦が繰り広げられてきました。選挙の結果は中台関係のみならず、東アジアの安全保障や国際情勢に大きな影響を及ぼしてきました。

1996年 李登輝氏初当選 中国がミサイル発射 緊張高まる

1996年の選挙は、中国が台湾独立に向けた動きだとして強く反発し、台湾の近海に向けてミサイルを発射するなど、緊張が高まりました。

こうした中、当時の李登輝総統は台湾の民主化や経済面での実績を強調して圧勝しました。

2000年 陳水扁氏初当選 国民党の長期政権に終止符

2000年の選挙では国民党政権からの変革を望む有権者の声の高まりから、野党・民進党の陳水扁氏が当選しました。

国民党は中国共産党との内戦の末、1949年に台湾に移り政権を維持してきましたが、初めて政権の座を奪われ、国民党による長期政権に終止符が打たれました。

2004年 激しい選挙戦 僅差で陳水扁氏再選

2004年の選挙は当時の民進党の陳水扁総統と国民党トップの連戦主席による激しい選挙戦となり、陳総統がわずか0.2%、およそ3万票の僅差で再選を果たしました。

2008年 馬英九氏初当選 中国との関係改善を公約に当選

2008年の選挙では、国民党の馬英九氏が民進党による不安定な政権運営などが経済を停滞させたとして、中国との関係改善を公約に掲げて当選し、8年ぶりに国民党が政権を奪還しました。

2012年 馬英九氏再選 “中国との関係改善で成長”を強調

2012年の選挙では、国民党の馬英九総統が中国との関係改善を通して経済成長をもたらしたと1期目の実績を強調し、当時、民進党トップだった蔡英文氏を破って再選を果たしました。

2016年 蔡英文氏初当選 “中国と急接近は主体性損なう”

前回、2016年の選挙では民進党の蔡英文氏が中国との急速な接近は台湾の主体性や民主主義を損なうと国民党政権を厳しく批判し、圧勝しました。これにより、民進党が8年ぶりに政権を奪還して、台湾初の女性の総統が誕生しました。

立法委員選挙 総統選と同日 民進党 過半数維持か焦点

台湾の議会、立法院は一院制で、議員にあたる立法委員の任期は4年です。

立法委員の選挙は2012年から総統選挙と同じ日に行われていて、小選挙区と比例代表など合わせて113の議席をめぐって争われます。

前回、2016年の選挙では、113議席のうち民進党が過半数の68議席を獲得し、国民党は35議席にとどまりました。

台湾ではすべての議席を直接投票で選ぶようになった1992年の選挙以降、立法院は国民党が一貫して主導権を握ってきましたが、前回、2016年の選挙で、民進党が初めて単独で過半数を獲得しました。

今回の選挙では既存政党に対する根強い不満から少数政党が議席を伸ばす可能性も指摘されていて、民進党が過半数を維持できるかが焦点です。