台湾 総統選挙きょう投票 “中国との距離”が最大の争点

台湾 総統選挙きょう投票 “中国との距離”が最大の争点
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台湾では11日、4年に1度の総統選挙が行われます。中国との距離の取り方が最大の争点となる中、中国に強い姿勢を示す与党・民進党の蔡英文総統が再選を果たすのか、融和的な立場をとる最大野党・国民党の韓国瑜氏が政権を奪還するのかが焦点です。
台湾では、任期満了に伴う総統選挙が11日行われ、再選を目指す与党・民進党の蔡英文総統と、南部の高雄の市長で最大野党・国民党の韓国瑜氏の事実上、2人の争いとなっています。

中国に強い姿勢を示す蔡総統と、融和的な立場をとる韓氏が対中政策を最大の争点として激しい選挙戦を繰り広げ、両陣営は10日夜、大規模な集会を開いて最後の訴えを行いました。

このうち、蔡総統は台北で演説し、中国が香港で実施する「一国二制度」を適用して、将来的な台湾の統一を目指していることを念頭に、「私は2300万人の台湾の人のため『一国二制度』を拒否してきた。外部の脅威は存在するが、台湾を強くする努力をずっと続けてきた」と述べ、再選に向けた支持を呼びかけました。

一方で、韓氏は、「民進党政権のもと、中国大陸との関係はこれまでになく冷え込んでしまった。未来の台湾は変わらなければならず、一緒に前に進んでいこう」と述べ、政権奪還の必要性を訴えました。

台湾の総統選挙は、日本時間の午前9時から投票が行われ、即日開票されます。

蔡英文氏とは

再選を目指す与党・民進党の現職、蔡英文総統は63歳。

台北市出身で、法律を専門とする学者として、1999年に国民党の李登輝元総統が発表した中国と台湾は、「特殊な国と国との関係」とするいわゆる「二国論」の起草に関わりました。

その後、2012年には、民進党の初めての女性党首として総統選挙に立候補し、国民党の馬英九氏に敗れましたが、前回、2016年の総統選挙で国民党の候補を破り、台湾で初めての女性の総統に選ばれました。

蔡総統は、中国側が主張する「1つの中国」の原則を受け入れず、去年1月に、中国の習近平国家主席が、香港などで実施している「一国二制度」を通じて将来の台湾統一を目指す姿勢を示した際、「絶対に受け入れられない」と強く反発しています。

また、香港で続く抗議活動の影響を受け、台湾でも中国への警戒感が強まる中、蔡総統は中国に強い姿勢を示し、低迷していた支持率を回復させました。

韓国瑜氏とは

最大野党・国民党の韓国瑜氏は62歳。

台湾北部の現在の新北市出身で議員にあたる立法委員や青果市場の代表などを経て、おととし11月、民進党の地盤だった南部・高雄市の市長選挙で当選しました。

軽快でわかりやすい口調が特徴の従来にない型破りな政治家として注目され、おととしの選挙では、SNSなども駆使して高雄市にとどまらず台湾全土で人気を集めました。

就任から1年もたたないうちに今回の総統選挙への立候補を表明し、国民党は、候補者に名乗りを上げた人の中で支持率が最も高かったとして党の公認候補に選出しました。

中国との経済関係を重視する韓氏は、高雄市長として中国を訪問し、果物などのトップセールスを行って巨額の契約を取り付けた実績をアピールしています。

選挙戦でも、蔡英文政権が中国との関係を悪化させ、経済を低迷させていると批判して中台関係の改善を訴え、経済交流を活発にして台湾経済の成長につなげると主張しています。

投票率の推移

台湾の総統選挙の投票率は、1996年に初めて直接投票になって以降、60%台から80%台で推移してきました。

とくに、国民党からの民進党への初めての政権交代となった2000年の総統選挙では、過去最高の82.69%を記録しました。

その後、投票率は低下傾向が続き、前回、2016年に今の蔡英文総統が初当選した選挙では、66.27%と過去最低となりました。