ブラックボックスの解析開始 運航見合わせる航空会社も

ブラックボックスの解析開始 運航見合わせる航空会社も
ウクライナの旅客機がイランの空港を離陸後、墜落したことについてイランの調査委員会は、操縦席の会話などが録音されるブラックボックスの解析を始めたことを明らかにしました。今後必要であれば各国の協力を求めるとしており、調査の透明性をアピールするとともにイランが誤って撃墜したという見方を示す欧米をけん制するねらいもあるとみられます。
イランからウクライナに向かっていたウクライナ国際航空の752便は、8日、首都テヘラン近郊の空港を離陸後まもなく墜落し、180人近い乗客乗員全員が死亡しました。

欧米各国は、イランがミサイルで誤って撃墜したという見方を示していますが、イラン航空当局の責任者は10日に開いた記者会見で、この見方を改めて否定しました。

また、イラン国営通信によりますと、イランの調査委員会は、10日、テヘランのメフラバード空港にある研究所で、操縦席の会話などが録音されるブラックボックスの解析を始めたと明らかにしました。

そして、墜落に関するデータを自力で引き出せない場合は、ロシア、ウクライナ、フランス、カナダから協力を得ることで合意したとしています。

また、すでに現地入りしているウクライナの調査団に加えて、アメリカ、カナダ、フランスの専門家も到着しだい、調査委員会に加わって原因究明を目指すとしています。

イランとしては、調査の透明性をアピールし、撃墜の可能性を指摘する欧米各国をけん制するねらいもあるとみられます。

ウクライナ調査団も墜落現場で検証始める

ウクライナのプリスタイコ外相は10日、首都キエフで会見を開きウクライナの調査団が墜落現場で検証活動を始めたことを明らかにしました。

そのうえでプリスタイコ外相は「調査団はブラックボックスにアクセスできるようになり、近く、操縦席の会話が再現されるだろう。またパイロットと管制塔の会話の録音も、聞くことができるようになった」と述べ、イラン側と協力して行っている調査の状況について説明しました。

その一方、これまでにアメリカ政府から寄せられた情報については「機密事項」として明かさず、今後もさまざまな可能性を視野に調査を進める方針を示しました。

運航を見合わせる航空会社も

ヨーロッパのオーストリア航空は10日、オーストリアの首都ウィーンとイランの首都テヘランを結ぶ直行便について、1月20日まで運航を見合わせると発表しました。
理由について、「テヘラン周辺の空域の安全状況が変わったため」としています。

また、ドイツのルフトハンザ航空も10日、ドイツのフランクフルトとテヘランを結ぶ直行便について1月20日まで運航を見合わせるとしています。

カナダのトルドー首相が9日、ウクライナ国際航空の旅客機はイランによって撃墜されたという認識を示したことなどから運航の見合わせを決めたものとみられます。

スウェーデン イラン航空の運航許可を一時的に取り消す

スウェーデンの運輸当局は10日、スウェーデンとイランを結ぶイラン航空の運航許可を、一時的に取り消すと発表しました。理由について「旅客機の墜落原因と、民間機の運航に対する安全性が不確実なため」としています。

今回イランで墜落したウクライナの旅客機には、7人のスウェーデン人が搭乗していました。

ウクライナの空港に献花台

ウクライナの首都キエフのボリスピリ空港には、墜落の犠牲となったウクライナ国際航空の乗員9人を追悼する献花台が設けられました。

献花台には乗員の遺影が置かれ、10日、市民が次々と花束をたむけ、涙ぐむ姿も見られました。

献花台を訪れた男性は「機体は十分に整備されていたはずだ。ウクライナで最も経験豊かな乗員たちがミスをしたとは思えない」と話していました。

ウクライナ政府は今回の墜落で、乗客2人、乗員9人の合わせて11人のウクライナ人が犠牲になったとしています。