ウクライナ疑惑 “トランプ大統領 不正行為”米下院委が報告書

ウクライナ疑惑 “トランプ大統領 不正行為”米下院委が報告書
アメリカのいわゆるウクライナ疑惑で、弾劾に向けた調査を進めてきた議会下院の情報委員会は調査結果をまとめた報告書を発表し、トランプ大統領がみずからの政治的利益のためにウクライナに圧力をかけるなど、大統領の不正行為があったと結論づけました。
この疑惑は、トランプ大統領がことし7月、ウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談で、民主党の有力候補、バイデン前副大統領に不利な情報を得ようと、軍事支援と引き換えに捜査を要求したとされるものです。

弾劾に向けた調査を進めてきた議会下院の情報委員会は、3日、先月行った一連の公聴会での政府高官らの証言などをまとめた300ページにわたる報告書を発表しました。

この中で、「大統領はみずからの再選にとって有益となる捜査をウクライナが公表することを首脳会談や軍事支援を行う条件とした」として、トランプ大統領がみずからの政治的利益のためにウクライナに圧力をかけたと指摘しました。

そのうえで「大統領は大統領選挙のプロセスを損なうとともに、アメリカの国家安全保障を危険にさらした」として、トランプ大統領の不正行為があったと結論づけました。

また報告書は、トランプ大統領が議会の召喚状を無視するよう証人や政府機関に指示したことが議会の調査の妨害にあたるとも指摘しています。

今回の報告書を踏まえ、4日には、下院の司法委員会で弾劾の憲法上の根拠などについて審議が予定されており、野党・民主党は年内にも弾劾訴追に踏み切る構えです。

ホワイトハウス「不正行為の証拠示すことできない」

弾劾に向けた調査を進めてきた議会下院の情報委員会が報告書を発表したことを受けてホワイトハウスは3日、声明を出しました。

このなかでグリシャム報道官は「一方的な偽りのプロセスの最後にシフ委員長や民主党はトランプ大統領による不正行為の証拠を一切、示すことができなかった。この報告書は単に彼らの不満を反映させただけのものだ」として弾劾調査を強く批判しています。

下院情報委員長「大統領、アメリカにとって非常に危険」

弾劾に向けた調査を進めてきたシフ下院情報委員長は3日、報告書を公表したあと記者会見し、「これはウクライナの問題ではなく、われわれの民主主義や安全保障の問題だ。アメリカ国民は大統領が自分たちの信頼を裏切っているか深く気にかけるべきだ」と述べ、国民にもっと関心を持つよう呼びかけました。

そのうえで「トランプ大統領はみずからは起訴も弾劾もされず、さらに法を超越した存在であると信じている。そのような倫理にもとる大統領をもつことはアメリカにとって非常に危険なことだ」と述べ、トランプ大統領を強く批判しました。