「はやぶさ2」小惑星探査終え地球帰還へ 本格的な飛行開始

「はやぶさ2」小惑星探査終え地球帰還へ 本格的な飛行開始
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日本の探査機「はやぶさ2」は、およそ1年後の地球への帰還を目指し、メインエンジンを使った本格的な飛行を開始しました。
小惑星「リュウグウ」のおよそ1年半にわたる探査を終えた日本の探査機「はやぶさ2」は、先月13日、地球に向けて小惑星を出発し、メインエンジンであるイオンエンジンの試験運転を行ってきました。

そして、4基のイオンエンジンがいずれも正常に作動することが確認されたため、3日午前11時から本格的に噴射して地球に向けて飛行を始めました。

「はやぶさ2」は現在、地球との距離が2億5000万キロ余りの位置にあり、およそ1年後の来年11月から12月に地球近くに達し、「リュウグウ」の岩石の破片が入ったと見られるカプセルを分離して、オーストラリアの砂漠に落下させる計画です。

そして、回収した岩石の破片は国内の研究者を中心に配られ、再来年の夏ごろから分析が行われる予定です。

“生命の起源につながるような成果を”

「リュウグウ」の岩石の破片は、国内の研究者などに配られ、再来年の夏ごろから詳しい分析が行われることになっています。

分析は、有機物や鉱物、それにガスなど6つの班に研究者がわかれて行います。

そのなかでも特に注目されるのが有機物です。

有機物の分析チームの代表の広島大学の薮田ひかる教授は、IOMと呼ばれる有機物を分析する計画です。

IOMは、炭素原子が多数連なった複雑な構造をした有機物です。

これまで宇宙では、構造が複雑な有機物は、ほとんど存在しないと思われてきましたが、分析技術の向上などで広く存在することがわかってきたのです。

一部の隕石(いんせき)などで検出されていて、このIOMが分解されると生命が利用できるような有機物になって、生命誕生の材料になった可能性があるとする研究者もいます。

X線顕微鏡という特殊な装置を使うとIOMは白く見え、岩石のどの部分にあるか調べることができます。

薮田教授は「IOMが宇宙でどのように作られてきたのか解き明かすことで、生命の起源にもつながるような成果を出したい」と話しています。