「コクヨ」 「ぺんてる」株式の過半数取得を目指す決議

「コクヨ」 「ぺんてる」株式の過半数取得を目指す決議
文房具メーカー最大手の「コクヨ」は、業務提携に向けて話し合いを続けてきた筆記具メーカー、「ぺんてる」の株式の過半数の取得を目指すことを決議したと発表しました。理由についてコクヨはぺんてるが第三者との間で資本提携を計画しているからだとしています。
これは大阪に本社がある「コクヨ」の黒田英邦社長が15日、東京で記者会見して明らかにしたものです。

それによりますとコクヨは、「ぺんてる」の株式を過半数まで買い増し、子会社化を目指すことを15日の取締役会で決議したということです。

その理由についてコクヨは、業務提携に向けて話し合いを続けてきたものの、ぺんてるが第三者との間で大規模な資本提携を計画し、すでに一部実行している可能性があるからだと説明しています。

コクヨは、すでにぺんてるの株式のおよそ37%を直接保有し、筆頭株主となっていますが、ぺんてるが第三者と資本提携を果たした場合には今後の業務提携が不可能になり、双方の企業価値が損なわれるとしています。

株式の買い取りは複数の株主とのあいだで交渉する形で行い、15日から来月15日までの期間で過半数の取得を目指したいとしています。

これについてぺんてるは、「発表内容を精査中で、本日中になんらかの形でコメントを発表したい」としています。

コクヨ社長「ぺんてるの計画 裏切り行為で青天のへきれき」

今回、ぺんてるの株式の過半数の取得を目指すと発表した、コクヨの黒田英邦社長は「当社との協業についての協議を進めているさなかの第三者との資本業務提携の計画は、裏切り行為で青天のへきれきだ。ぺんてるの今の経営陣とは、ぺんてるの持つ技術力や従業員の豊かな可能性を伸ばすことはできないと考えた」と述べました。

そのうえで、ぺんてるの株を保有する株主に対して「ぺんてるブランドの維持、強化はもちろん従業員の雇用も継続する。当社の考え方に賛同いただきぺんてるの経営改革、企業改革を当社に託していただける株主の方々を広く募っていきたい」と述べました。

ぺんてる「一方的で決して容認できない」

コクヨがぺんてるの株式を過半数まで買い増して子会社化することを目指すと発表したことについて、ぺんてるはホームページで見解を発表しました。

それによりますと、「当社への事前連絡および当社との協議もなく実施された一方的なものであり、当社としては決して容認できるものではない」としたうえで、コクヨが子会社化する方針を明確にしたことに「強い憤りを覚える」としています。

また、コクヨが子会社化を目指すことに踏み切った理由としてぺんてるが第三者との間に資本提携を計画しているからとしたことについては、「当社とコクヨとの間には当社による他社との協業等の行為を制限する契約は一切締結されておらず、当社が両者間の合意に反した行為を行ったという主張は受け入れることができない」と反論しています。

さらに、「さまざまな企業との協業・提携の検討を行うことは、当社の発展のために必要なことである」としています。

コクヨ ぺんてる 対立の経緯

コクヨとぺんてるの対立が表面化したのはことし5月でした。

コクヨが5月10日、突然、ぺんてるの株式のおよそ37%を保有する投資ファンドに101億円を出資し、実質的にぺんてるの筆頭株主となったことを発表しました。事前に連絡なく突然株式を買われたぺんてるは反発。ホームページで「当社は今後とも、創業来の独立性を堅持する」というコメントを掲載しました。

コクヨが出資したねらいは、ぺんてるとの業務提携です。コクヨは年間の連結の売上高が3000億円を超える文房具業界の最大手です。しかし、国内市場は人口減少に加えてオフィスのデジタル化が進み、市場の縮小という課題に直面しています。海外での販売展開に活路を見いだしたいところですが、コクヨの海外売上高は全体のおよそ7%。世界規模で広げるためには時間とコストがかかると考えています。

一方、ぺんてるは売上高がおよそ400億円とコクヨの8分の1程度ですがアメリカやヨーロッパを中心に、強固な海外販路を維持し、海外売上高は65%余りにのぼっています。

コクヨからすると自社が強みをもつノートやルーズリーフなど「書かれるもの」とぺんてるの強みである「書くもの」・筆記具は商品の重複がなく、理想的な提携先だと考えています。

業務提携の話し合いを進めたいコクヨは、9月になって投資ファンドからぺんてるの株式を取得し、直接保有に切り替えました。

法律上、ぺんてるの経営の重要事項について、拒否権を持つことになり、強い影響力がある状態で交渉を続けてきました。

このとき、話し合いのテーブルにつくことを決めたぺんてるは「協力関係を築くことができるのかどうかを含めた協議をすべきだと判断した」とコメントしていました。