ファミリーマート “来年3月から時短営業認める”と発表

ファミリーマート “来年3月から時短営業認める”と発表
コンビニ大手のファミリーマートは、加盟店が希望すれば時短営業を認めると正式に発表しました。人手不足が続く中、コンビニ大手はそろって時短営業を認める方針を打ち出したことになり、24時間営業を前提としたコンビニのビジネスモデルは大きく変わることになります。
これは14日、ファミリーマートの澤田貴司社長が記者会見で明らかにしました。

それによりますと、24時間営業を前提とした今の契約を抜本的に見直し、加盟店のオーナーが希望すれば時短営業を認める新たな契約を来年3月から導入します。

新たな契約では、
▽日曜の深夜から翌朝にかけてか、
▽毎日、深夜の時間帯を休業するか、
2つのパターンから選べるようにします。

また加盟店を支援するため、24時間営業を続ける店舗に本部が払う支援金を引き上げるなど、1年間で100億円を超える対策を実施するとしています。

ファミリーマートには、全国におよそ1万6000店のフランチャイズ加盟店があり、会社ではすべての店舗の意向を確認したうえで、早ければ来年春にも新たな契約を結ぶ方針です。

これに合わせて本部の組織のスリム化にも取り組み、本部の社員の1割にあたるおよそ800人の希望退職を募るということです。

コンビニの24時間営業をめぐる問題では、セブン‐イレブン・ジャパンやローソンもすでに時短営業を認めており、1970年代から続いてきた24時間営業を前提としたコンビニのビジネスモデルは大きく変わることになります。

澤田社長「24時間営業しなくても収益上げている店も」

ファミリーマートの澤田社長は記者会見で、時短営業を認める理由について「24時間営業は優れたビジネスモデルだと思うが、時短実験の中で24時間営業しなくても収益を上げている店もある」と述べました。

そのうえで、「これまでコンビニ業界が成長を大量出店に頼りすぎたことに疑問がある。加盟店ファーストの立場で既存の店の力をつけるための取り組みを強化する」と述べ、新規の出店を急ぐのではなく既存の店舗の質の向上に取り組む考えを強調しました。

時短営業 各社の取り組み

大手コンビニ各社はそろって24時間営業を行わない、いわゆる時短営業を認めていますが、その方法や考え方には違いがあります。

▽休業時間帯・曜日
まず、深夜に休業する場合の時間や曜日についてです。

「セブン‐イレブン」
深夜に休業する場合は原則、毎日行うこととしています。ただし、あらかじめ決めておけば、利用客が見込める曜日だけ24時間営業を行うことは可能だとしています。休業する時間帯は午後11時から午前7時までの最長8時間です。

「ファミリーマート」
毎日、時短営業をするか日曜日だけにするか加盟店が2つのパターンから選択できるようにします。休業する時間帯は午後11時から午前7時までの最長8時間とする方向で検討しています。

「ローソン」
すでに時短営業を行っている118店舗についてはいずれも毎日、時短営業を行っています。ただ、曜日や時間帯については、加盟店と本部の話し合いで決めるとしていて、特別なルールはないということです。

▽時短を判断するプロセス
次に、時短営業が決まるまでのプロセスです。

「セブン‐イレブン」
本格的な時短営業をする前に最長6か月間、時短営業のテストを行うことを加盟店にすすめています。時短営業は売り上げや利益などへの影響が出る可能性があるからです。具体的な時間や開始時期についてはオーナーと本部が文書で合意する必要がありますが、時短営業を行うかどうかは最終的にオーナー自身が判断するとしています。

「ファミリーマート」
時短営業の実証実験を行っていますが、今回、新たに現在のフランチャイズ契約を改定し、契約の段階から時短営業か24時間営業か、加盟店が選択できるようにします。

「ローソン」
すでに時短営業を行っている店舗の売り上げなどのデータを基に本部と加盟店が協議したうえで覚書を締結することになっています。

▽時短を検討している店舗数
コンビニ大手各社がそれぞれの加盟店を対象に行ったアンケート調査によりますと、セブン‐イレブンはアンケートに回答した1万4500店余りの加盟店のおよそ15%にあたるおよそ2200店が時短営業の実験を実施、または検討すると回答しました。

ファミリーマートは、アンケートに回答したおよそ1万4000の加盟店うち7000店余りが時短営業を「検討したい」と回答しています。

ローソンはアンケートは行っていませんが1万3000余りの加盟店のうち、およそ500店から時短営業についての問い合わせが寄せられているということです。

24時間営業転換の課題は

大手コンビニ各社が時短営業を容認する姿勢にかじを切りました。

しかし、およそ40年にわたって続いてきた24時間営業を前提としたビジネスモデルを転換するためには、さまざまな課題があります。

コンビニで販売される弁当やおにぎりなどの食品の製造や、商品の配送は24時間営業を前提に態勢が構築されています。

例えば、食事の時間帯にできたての弁当を陳列するために、トラックの配送ルートだけでなくどの工場で弁当を製造するのか、細かくシステム化されています。

また、多くのコンビニは、客の少ない深夜に商品が配送され、検品や陳列、店内の清掃が行われます。その分、客が多い日中に販売に専念できるようにするためです。

24時間営業から時短営業に切り替えるということは、物流や商品を製造する仕組みや仕事のやり方まで見直す必要があるのです。

売り上げへの影響をどう抑えるかも課題です。

スーパーやドラッグストアとの厳しい競争が続く中、24時間営業という強みがなくなれば、売り上げが落ち込んでしまうとして、オーナーの間からは懸念を示す声も聞かれます。

日本でコンビニの営業が始まった1970年ごろは、深夜の時間帯は休業するのが通常でした。

その後、消費者のライフスタイルの変化とともに、24時間営業が主流となり現在は、ATMの設置や住民票の交付など銀行や役所の機能も担う生活インフラとしての役割を果たすようにもなりました。

24時間いつでも利用できるという便利さで成長を続けてきたコンビニは、深刻な人手不足をきっかけに新たなビジネスモデルを構築できるのかが問われています。