来年の「桜を見る会」は中止 菅官房長官

来年の「桜を見る会」は中止 菅官房長官
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総理大臣主催の「桜を見る会」について、菅官房長官は午後の記者会見で、招待者の基準の明確化などを図り、予算や招待者数の削減も含め、全般的な見直しを検討するとして、来年の開催を中止することを発表しました。
また、安倍総理大臣は13日午後7時前、総理大臣官邸を出る際、記者団に対し、「すでに菅官房長官が説明したとおり、私の判断で中止することにした」と述べました。
この中で、菅官房長官は「桜を見る会」の招待者について「内閣官房の取りまとめにあたっては、総理大臣官邸内や与党にも推薦依頼を行っており、官邸内は、総理、副総理、官房長官、官房副長官に対し、事務的に推薦依頼を行ったうえで、提出された推薦者の取りまとめを行っている」と述べました。

そして「こうした手続きは、長年の慣行で行ってきているものだが、さまざまな意見があることを踏まえ、政府として、招待基準の明確化や、招待プロセスの透明化を検討したい。予算や招待人数も含めて、全般的な見直しを幅広く意見を聞きながら行うこととし、来年度の桜を見る会は中止をすることにした」と述べました。

また菅官房長官は、来年の開催中止は安倍総理大臣が判断したことを明らかにしたうえで、再来年以降は再開する前提で見直しを進めていく考えを示しました。

さらに、見直しにあたっては、規模の縮小が念頭にあるのかと問われたのに対し、「当然だ」と述べました。

一方、みずからに対しても招待者に関する事務的な推薦依頼があったことについては、「慣行だったので、それが自然のことかなと、ずっと思っていた」と述べました。

そして、「私どもが野党の時も、その時の政権が行っており、やはり慣行だったのだろう。さまざまな意見を真摯(しんし)に受け止め、疑問点を明確にしていきたい」と述べました。

総理大臣主催で毎年開かれている「桜を見る会」をめぐっては、年々、参加者が増えていて、野党側は、安倍総理大臣の後援会から多くの人が招待されているとして、「公的行事の私物化だ」などと追及しています。

安倍首相「私の判断で中止」

安倍総理大臣は13日午後7時前、総理大臣官邸を出る際、記者団に対し、「すでに菅官房長官が説明したとおり、私の判断で中止することにした」と述べました。

後援会主催の夕食会 収支報告書に記載なし

NHKが入手した「桜を見る会」の案内文には、「安倍晋三事務所」の名称や安倍総理大臣の地元・山口県下関市の事務所の電話番号とともに、「桜を見る会」の前日に後援会が主催して開かれる会費制の夕食会の案内も記されていました。

政治資金規正法は政治団体が会費制の催しを行った場合は、その収支を政治資金収支報告書に記載することを義務づけています。

しかし、この年の「安倍晋三後援会」の収支報告書には、この「後援会」主催の夕食会に関係する収入の記載は確認できません。

専門家は会費制の催しを行った政治団体は、会計を旅行会社に任せた場合や利益が出なかった場合でも収支や日時、それに参加人数などを記載するべきだと指摘していて、過去には不記載だとの指摘を受けて収支報告書を訂正したケースが相次いでいます。

安倍首相に関する仕事後 招待状届いた人も

「桜を見る会」の参加者の中には、安倍総理大臣に関係する仕事に関わったあと、会の招待状が毎年届くようになったという人もいます。

山口県下関市の会社役員の男性によりますと、安倍総理大臣に関係する仕事に関わったあとの3、4年前に突然安倍総理大臣の名前で「桜を見る会」に出席するかどうかを尋ねる文書が郵送されてきたということです。

男性は、「自分のところに総理大臣から何かが届くとは思わなかったので、驚いたし、誉れな感じを抱いた」と話しました。男性は、飛行機やホテルはみずから確保し、5万円以上かかった交通費や宿泊費などは自己負担したということです。

「桜を見る会」には、多くの芸能人も参加していたということで、男性は「山口県からかなりの人数が参加していたようだ。地方の人からすると、テレビで見る人たちが実際にいて記念写真を撮れたので、とても楽しかったという思い出になっている」と振り返りました。

男性の元には、その後も毎年安倍総理大臣の名前で招待状が届いているということで、男性は「思い返してみると、安倍総理大臣の周りの方と近い関係になったり地元に貢献したりすることで、ご褒美のようなものを受けたということはあるかもしれない」と話していました。

政治資金専門家「公私混同だ」

政治資金の問題に詳しい日本大学の岩井奉信教授は、NHKが入手した案内文を見て「政府が税金を使って開催し一定の参加基準があるとされる『桜を見る会』の案内に、前日に開かれる安倍総理大臣を応援する私的な後援会の夕食会の案内も書かれている。この文書からは、誰でも希望をすれば『桜を見る会』に参加できるように感じられ、政府の説明と矛盾している。事実上の選挙区サービスで、公私混同と言わざるをえない」と指摘しました。

そのうえで「『桜を見る会』では飲食が提供され、お土産も出たと言われているが、こうした場に地元の後援会関係者を招いていたのであれば、公職選挙法で禁じられている選挙区内の有権者などに対する寄付にあたると思う。前日の夕食会は、後援会主催の行事ということなら政治資金規正法で収支の報告が義務づけられているが、後援会の政治資金収支報告書には一切記載が見られず、不記載として法律違反となる疑いがある」と話しました。