護送中の車から被告逃走 手錠つけたまま逃走中 東大阪

護送中の車から被告逃走 手錠つけたまま逃走中 東大阪
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9日朝早く大阪・東大阪市で大阪地方検察庁が車で護送していた男の片手の手錠を車内で外し、逃走される事件が起きました。

発生から半日以上たっても男はもう一方の手に手錠をつけたまま逃げていて、検察と警察が行方を捜しています。
9日午前4時ごろ東大阪市新町の交差点で、大阪地方検察庁の事務官3人が車で護送していた大植良太郎被告(42)に車のドアを開けられ逃走されました。

大植被告はことし4月に覚醒剤の使用などで逮捕・起訴されたあと保釈されていましたが、その後、3回にわたって裁判に出廷せず、保釈が取り消されて検察が収容する手続きを進めていたということです。

大植被告は車内で手錠と腰縄をつけられていましたが「手錠がきつい」と訴えたため、事務官が左手の手錠を外したところ、突然、暴れ出したということです。

事務官は3人がかりで制止しようとしましたが振り切られ、大植被告は右手首に手錠、腰に縄がついたままの状態ではだしで東の方向に走って逃げたということです。

もみ合いになった際、事務官2人が軽いけがをしました。

大植被告は身長が1メートル70センチくらい、やせ型で丸刈り、紺色の長袖シャツに迷彩柄のズボンをはいていて、現金などの所持品はないということで、検察と警察が行方を捜しています。

大阪地検では先月30日にも収容予定だった被告の女に逃走される事件が起きたばかりです。

大植良太郎被告とは

大阪地方検察庁によりますと、逃走しているのは大阪 岸和田市の遊技機の設置業、大植良太郎被告(42)で、ことし4月19日から5月31日にかけて覚醒剤の使用や大麻の所持などの罪で起訴され、4月26日に保釈決定が出ていたということです。

その後、大植被告は6月24日から7月29日まで大阪地方裁判所岸和田支部で3回開かれた裁判に出廷しましたが、9月12日に予定されていた判決の言い渡しに現れなかったということです。

判決期日は9月26日と先月17日の2度、設定されましたがいずれも出廷せず、7日、裁判所に保釈決定を取り消されていたということです。

逃走の状況は

検察によりますと、8日午後11時以降に東大阪市の河内警察署から「7日に保釈が取り消されていた大植被告を確保した」との連絡があり、9日午前3時半ごろに男女3人の検察事務官が駆けつけて、身柄を引き取ったということです。

まもなく事務官は大植被告の両手に手錠をかけたうえ、腰縄をつけてワゴン車に乗せ、仮の留置先とした同じ東大阪市内にある枚岡警察署に向かいました。

ワゴン車は女性事務官が運転し、2列目の座席に男性事務官、3列目の座席に大植被告と男性事務官が乗っていました。

途中、大植被告が「両手の手錠がきつい」と訴えたため、事務官が手錠の左手側を外したところ、突然座席を乗り越え2列目に移動し、右側のスライドドアを開けようとしたということです。

そしてドアが半開きになり、大植被告と事務官が転落しそうになったため、車を停止させると外に出ようとしたということです。

運転席と2列目にいた2人の事務官が車から降りて、外から制止するとともに、3列目の事務官が腰縄を引っ張りましたが、もみ合いになったあと逃走されたということです。

大植被告は右手に手錠をはめられたままで、腰縄もついている状態で東の方向に走っていったということです。

検察は車のドアのロックが内側から開けられないようにしていたかどうかについて、今後の収容業務に差し支える可能性があるとして説明を拒んでいます。

防犯カメラに護送車の様子

逃走現場のすぐ近くに設置された防犯カメラには、大植被告を護送していたとみられる黒のワゴン車が走っている様子が映っていました。

映像が記録されていたのは大植被告が逃走する直前で、画面の右側から走ってきた黒のワゴン車が交差点を右折する様子が確認できます。

また、およそ10分後には、現場に向かっていたとみられる2台のパトカーが交差点を右折する様子も映っていました。

繰り返された大阪地検の失態

前回の逃走事件からわずか10日後、再び収容予定の被告に逃げられた大阪地検。

被告の女が息子の運転する車で事務官をはねて逃げた前回の事件では、「荷物を取りにいきたい」という女の要求を受け入れて検察庁舎の外に出し、待っていた車に乗り込ませるという不用意な対応が逃走を招きました。

そして今回の事件は被告の男から「手錠がきつい」と言われた事務官が手錠を外したことが逃げられるきっかけとなりました。

検察によりますと、収容予定の被告を護送するときの内部規則では、「食事や用便などの必要がある際は、責任者が状況を判断して事故防止に注意し、手錠などの戒具の一部を解くことができる」となっていて、手錠を外す行為はこの内部規則の範囲だということです。

しかし、大植被告は事務官がいったん外した手錠をかけ直そうとしたところ、突然、暴れ出し制止できなかったということです。

大阪地検は前回の逃走事件を受けて、7日、幹部職員が収容担当の職員に対して、口頭でのみ注意喚起をしたということで、その直後に失態が繰り返される結果となりました。

「関西万博」PRイベント中止に

逃走事件が起きた現場から北西に3キロほど離れた同じ東大阪市にある、大阪府立中央図書館では、9日、2025年に開催される「大阪・関西万博」をPRするイベントが予定されていました。

小学生などおよそ40人が参加する予定でしたが、安全面を考慮して中止されました。イベントの担当者は、「ニュースを見て、また逃走事件があったのかという気持ちになりました。楽しみにしていた人も多かったので、予定どおりできずに残念です」と話していました。

大阪地検「あってはならないこと 申し訳ない」

護送中の被告に逃走される事態を招いたことについて、大阪地方検察庁の上野暁総務部長は「お騒がせしたことを大変重く受け止め、申し訳ないと考えている。あってはならないことで、こちらにも足りない点があった」と話しています。

近隣住民 「速やかに情報提供すべき」

検察の護送車から被告の男が逃走した現場の近くで自動車整備工場を営む73歳の男性は、「けさ友達から電話が来て事件を知った。近所でこのような事件が起き不安だ。逃走に使われないよう、会社の車はすべて鍵を抜き対策をとっている」と話していました。

さらに「日課の犬の散歩のため朝5時ごろに家を出て公園などに行った時にパトカーや警察官を見たが、何かあったのか訪ねても『ただの警らだ』というばかりで、事件については教えてくれなかった。市民の協力を得るためにも、速やかに情報提供すべきだったと思う」と話していました。