香港 抗議活動開始から5か月 大学生死亡で各地で追悼集会

香港 抗議活動開始から5か月 大学生死亡で各地で追悼集会
香港では、一連の抗議活動が始まって9日で5か月となりますが、抗議活動に参加していたとみられる大学生が8日、死亡したことを受けて各地で追悼集会が開かれ、一部の若者らが警察と衝突するなど反発を強めています。
香港では8日夜、今月4日に行われた抗議活動に参加していたとみられる大学生、周梓楽さん(22)が、警察の強制排除の最中に建物から転落したあと、治療を受けていた病院で死亡したことを受けて、各地で追悼集会が行われました。

このうち、香港島の中心部では多くの市民が集まり、ろうそくを手に祈りをささげたあと、「警察は暴力をやめろ」などと声を上げました。

参加した14歳の少年は「政府には市民が何を望んでいるのか知ってほしい」と話していました。

30代の女性は「なぜ若い命が失われなければならなかったのでしょうか。私たちみんなが振り返って考えるべきです」と涙ながらに話していました。

また、夜遅くになって各地でマスク姿の若者らが道路を封鎖したり、路上に火をつけたりしたほか、地元メディアによりますと、九龍半島の繁華街で、デモ隊に取り囲まれた警察官が空に向けて拳銃を1発、発砲したということです。

一連の抗議活動は、9日で5か月となり、暴動や違法な集会に参加したなどとして逮捕された人はこれまでに3000人を超えています。

今月24日に区議会議員選挙を控え、香港政府は警察の取締りをさらに強化する構えですが、逆に市民の反発を招く状況となっています。

転落現場には大勢の市民集まる

男子大学生が転落した現場には、亡くなったという知らせを聞いた大勢の市民や若者が夜遅くまで次々に訪れ、駐車場の中は常に数千人の人であふれかえり、延べ数万人が訪れたと見られます。

人々は花を手向けて黙とうしたり、ろうそくを供えたりして、大学生の死を悼んでいました。

夜遅くなって、黒い服を着た若者たちが駐車場の周りの道路に集まり、バリケードを築き始めました。

若者の1人は「追悼の場を尊重してこんなことはしたくはないが、警察が突然、突入してきては困るので、みんなを守るためにバリケードを作っているんです」と話していました。

大学生が通っていた学校の日本人教員「身近に起きて非常に残念」

亡くなった周梓楽さんが通っていた香港科技大学の教員、野澤良雄さんがNHKの電話インタビューに応じました。

野澤さんは「これまでもデモに参加する人と警察の間で大変な衝突があり、自分の学生の中でそうしたことがあると困るなと思っていたが、身近で起きて非常に残念だ」と今の心境を語りました。

大学では8日、卒業式が行われ、そのさなか、周さんが死亡したという知らせが伝えられました。

式に出席していた野澤さんは「学長に連絡が入り、急きょ、長い黙とうがあった。声をあげたりする人はおらず、落ち着いた様子だった」と当時の状況を振り返り、「亡くなった周さんと同じ学部の学生がいちばんショックを受けているのではないか」と話していました。

学内では午後になると、ふだん見かけないマスクをした大勢の若者を目にしたということで、「学内のさまざまなところにスプレーでスローガンが書かれたり、中国政府寄りだと見なされた企業が運営する食堂のドアやテーブルが壊されたりするなど、これまで学内で見られなかったことがあった」と述べて、周さんの死をきっかけに学内でも激しい抗議活動が起きたことで、状況がさらに悪化することへの懸念を示していました。