“ヘリウム危機”国を挙げた対策の必要性訴える

“ヘリウム危機”国を挙げた対策の必要性訴える
工業製品や医療機器などに使われる「ヘリウム」の供給不足で、製造や研究開発、医療への影響が懸念されていることをめぐって、研究者らがシンポジウムを開き、国を挙げた対策の必要性を訴えました。
ヘリウムは半導体などの工業製品の製造や研究開発、医療機器などに幅広く使用され、日本はすべてを輸入に頼っていますが、世界の生産量のおよそ6割を占めるアメリカが輸出を減らしているほか、中東からの輸入が情勢の悪化で困難になり、供給不足が問題になっています。

これを受けて東京大学物性研究所が6日シンポジウムを開き、全国の50余りの研究機関を対象にしたアンケート調査の結果を説明しました。

それによりますと、半数近くの研究機関で必要な量のヘリウムを調達できず、予算の少ない大学では研究の中断を余儀なくされるところも出ているということです。

このため参加した研究者らは、ヘリウムを再利用する設備の導入や備蓄のための環境整備が必要だとして、国を挙げた対策の必要性を訴えていました。

日本物理学会の勝本信吾副会長は「多くの資源を輸入に頼る日本では貴重な資源をどう再利用していくかが重要だ。ヘリウムをきっかけに国全体の関心を高めたい」と話していました。