イラン ウラン濃縮再開 核合意形骸化か

イラン ウラン濃縮再開 核合意形骸化か
イランは、アメリカによる経済制裁に対抗するため核合意の制限を破る形で、中部にある核施設でウランの濃縮活動を再開すると発表しました。今回、イランが核開発の中心とみられていた施設で活動を再開するとした決定により、核合意の形骸化がさらに進み、今後も瀬戸際外交が続きそうです。
イランのロウハニ大統領は、5日、中部フォルドゥにある核施設で6日から遠心分離機を稼働させウランの濃縮活動を再開すると発表しました。

この施設は敵対する国からの空爆に備え、山岳地帯の地下に設置されていると見られ、イランはかつてここでウランの濃縮度を高める活動を行ってきましたが、4年前の核合意によって(2015年)ウラン濃縮活動が禁止されました。

ロウハニ大統領は、この施設での活動の詳細については明らかにしませんでしたが、IAEA=国際原子力機関による査察は引き続き受け入れる考えを示し、ヨーロッパ各国などが、イランの求めている経済支援策を実施すれば、再び合意を順守するとしています。

イランは、ことし5月以降、核合意の制限を段階的に破る措置をとっていて、今回が4回目となり、今後も状況が改善されなければ、引き続き対抗措置をとると警告しています。

今回イランが核開発の中心とみられていた施設で活動を再開するとした決定により、核合意の形骸化がさらに進み、今後も瀬戸際外交が続きそうです。

EUは自制を求める

イランの核合意の成立に際して仲介役を担ったEU=ヨーロッパ連合の報道官は5日の記者会見で、「核合意に反するあらゆる活動をやめるよう求める」と述べ、イランに対し、自制を求めました。

その上で核合意の維持に向けてイランに経済的な利益がもたらされるよう努めるとしましたが、「核合意の維持はますます難しくなっている」とも述べ、今後の展開は、イランの出方次第だとの考えも示しました。