「内水氾濫」と「バックウォーター」で広域に浸水 川崎

「内水氾濫」と「バックウォーター」で広域に浸水 川崎
台風19号による浸水被害が相次いだ川崎市。市の広い範囲で浸水被害が相次いだのには、別々の場所で「内水氾濫」と「バックウォーター」という浸水被害で特徴的な2つの現象が起きていたことが分かりました。
川崎市によりますと、「内水氾濫」は都市部で激しい雨が降った際に、下水道から川への排水が間に合わなかったり逆流したりして市街地で水があふれる現象で、都市部での特徴的な浸水被害です。

タワーマンションなどへの浸水被害が相次いだ中原区では、排水管から多摩川の水が逆流する「内水氾濫」が起きた可能性が高いとしています。

一方、「バックウォーター」は本流の水位が高くなって支流の水が流れにくくなる現象で、川の氾濫や堤防の決壊の原因となる現象の一つです。

マンションが浸水し男性1人が死亡するなどした高津区では、「バックウォーター」が起きたことで多摩川の支流の平瀬川があふれ、住宅地に流れ込んだ可能性が高いとしています。

市は、この2つの現象が市内の別々の場所で発生したことで広い範囲で浸水被害が相次いだものとみて、さらに詳しく調べています。

内水氾濫 なぜ起きた

川崎市によりますと、中原区では、雨水は区内に張り巡らされた下水管を通って、中原区上丸子と宮内に設置された排水路から多摩川に排出される仕組みになっています。

排水路の出口部分は3mほどの地点に設置されていますが、今回の台風では排水路の出口の位置より多摩川の水位が上がったとみられ、そこから川の水が逆流し、住宅地に流れ込んだということです。

排水路には川の逆流を防ぐ水門が設置されていますが、水門を閉じると雨水を排出できなくなるため、川崎市は水門を閉じない判断をしたということです。

川崎市は「多摩川の増水が想定以上で、結果として川の水が下水管を逆流し、川から離れた武蔵小杉駅周辺にも浸水の被害が及んでしまった。今後、必要な対策を検討する」と話しています。

市によりますと、多摩川につながる排水路は市内であわせて7か所設けられ、このうち川の水が排水路を逆流する「内水氾濫」とみられる現象は中原区と高津区のあわせて5か所で
確認されたということです。

バックウォーター なぜ起きた

川崎市高津区では、台風19号の影響で住宅地が浸水し、マンションの1階に住む60代の男性1人が死亡し、住宅など多くの建物で浸水被害が相次ぎました。

川崎市によりますと、特に浸水被害が多かったのは高津区久地付近で、多摩川と支流の平瀬川が合流するところにある住宅地です。

今回の台風では、増水した多摩川の水が逆流し平瀬川に流れ込む「バックウォーター」と呼ばれる現象が起きたとみられ、その結果、平瀬川からあふれた大量の水が住宅地に流れ込んだ可能性が高いということです。

この地域はもともと土地が低く、水がたまりやすいところで、今回の台風でもポンプでの排水は続けていたということですが、川の水があふれ、追いつかなかったということです。

川崎市は浸水被害を受けた地域に職員を派遣してさらに詳しい原因などを調べています。