米議会下院 香港での人権尊重と民主主義確立支援の法案可決

米議会下院 香港での人権尊重と民主主義確立支援の法案可決
抗議活動を続ける香港の若者たちを支援しようと、アメリカ議会下院で、香港での人権の尊重と民主主義の確立を支援する法案が可決されました。中国政府が法案の成立に強く反対しているものの、アメリカ議会上院でも近く可決される見通しです。
アメリカ議会下院では15日、本会議が開かれ、香港での人権の尊重と民主主義の確立を支援する法案が全会一致で可決されました。

この法案は、香港に高度な自治を認めた一国二制度が中国政府によって損なわれていないか検証し、香港の抑圧に関わった中国の当局者への制裁の発動を可能にします。

議会下院では、採決を前にペロシ下院議長が演説し、中国政府は香港の一国二制度の約束を守っていないと批判したうえで、「この4か月間、香港の若者たちは、自由、民主主義それに正義を失うことはできないというメッセージを世界に発信してきた」と述べ、若者の行動をたたえました。

そのうえで、「われわれは重要な価値観を犠牲にして金のために魂を売ることはしない。香港に対するわれわれの支援の声が届くことを期待する」と訴えました。

この法案をめぐっては、中国政府が強く反対しているものの、アメリカ議会では、超党派で支持されていて、上院でも近く可決される見通しです。

ただ、トランプ大統領は、法案に署名するか明らかにしておらず、香港の問題よりも中国との貿易交渉を重視していると言われるトランプ大統領がどう判断するかが注目されています。

一方、アメリカ議会下院では、この日、香港の警察に対して、抗議活動を取り締まる装備品の輸出を禁じる法案も全会一致で可決されました。

香港政府 米下院可決に反発

アメリカ議会下院で、香港での人権の尊重と民主主義の確立を支援する法案が可決されたことについて、香港政府の報道官は「遺憾だ」とするコメントを発表しました。

コメントでは、「中国への返還以来、香港は基本法に基づいて香港市民による高度な自治を堅持してきた。『一国二制度』は香港の繁栄と安定のためにうまく機能しており、これからもこの方針を続けていく」として「一国二制度」は損なわれていないという立場を示しています。

そのうえで、「外国の議会はどんな形であれ香港内の事柄に干渉すべきでない」と反発しています。

さらに、警察のデモ隊への対応については「警察は暴力や破壊行為に対して法律に基づき、適切に武力を行使している」としています。

中国外務省 米下院可決に断固反対

アメリカ議会下院で、香港での人権の尊重と民主主義の確立を支援する法案が可決されたことについて、中国外務省の耿爽報道官は、コメントを発表し、「強い憤りと断固たる反対を表明する」として、強く反発しました。

そのうえで、耿報道官は、「もし法案が最終的に成立すれば中国だけでなく、アメリカ自身の利益もひどく損なうことになるだろう。アメリカの間違った決定に対しては中国は、必ず強力な対抗措置をとるだろう」として法案を成立させないよう求め、アメリカをけん制しています。