ノーベル化学賞の吉野さんが妻と会見「反響のすごさに驚く」

ノーベル化学賞の吉野さんが妻と会見「反響のすごさに驚く」
ことしのノーベル化学賞の受賞が決まった、大手化学メーカー「旭化成」の名誉フェローの吉野彰さんが、発表から一夜明け、妻の久美子さんとともに記者会見を行い、「反響のすごさに驚いている」と喜びを語りました。
ことしのノーベル化学賞の受賞が決まった、大手化学メーカー「旭化成」の名誉フェローの吉野彰さんが、妻の久美子さんとともに東京 千代田区のホテルで記者会見を行いました。

会見の冒頭で吉野さんは「きのうの夕方から大変な騒ぎになっておりまして、いろいろな方からお祝いのことばをいただき、反響のすごさに驚いております」とあいさつしました。

また、久美子さんはノーベル賞の受賞が決まったことについて、「私は登山をやっているのですが、毎年ノーベル賞の発表がある10月は紅葉がきれいな時期なのに山に行きたいという気持ちをおさえて受賞の知らせを待っていました。ようやく解放され、安心して山に行けますのでとてもうれしいです」と笑顔で話しました。

吉野さんは研究の大変さについて質問されると「研究開発の道のりはマラソンのレースに非常によく似ていて必ずゴールがある。苦しいときは本当に苦しいが、そこを乗り越えたときにさっきまでの苦しさがうそのように楽になります。研究ではマラソンのように距離は決まっていないが必ずゴールが、宝物があると確信すれば乗り越えられます」と話しました。

また自身が化学メーカーに勤務する研究者であったことについては、「私が仮に電池専門のメーカーに入社していたらリチウムイオン電池の発明はできなかったと思う。研究の過程では、自分で素材を開発しないといけない局面が随所にあったが、ふだんからさまざまな素材を作っている化学メーカーだったからできたことではないか」と振り返りました。

そのうえで、「リチウムイオン電池はイオンの動きを今より速くすることができれば電池の性能がぐんと上がることがわかっているが、なかなかできない。その方法を早く誰かに見つけてもらいたい」と次世代の研究者たちにげきを飛ばしました。

会見は終始なごやかな雰囲気で進み、受賞について妻の久美子さんにかけることばを聞かれた吉野さんが「シャイなのでしゃれたことばはお伝えできないが、苦しいときには迷惑をかけたこともあったので、受賞を一緒に喜んでもらいたい」と話すと、隣にいた久美子さんが「最高のプレゼントをありがとうございます」と笑顔で応じていました。