米中 2か月ぶりに閣僚級の貿易交渉

米中 2か月ぶりに閣僚級の貿易交渉
アメリカと中国の貿易摩擦の影響が世界経済に広がる中、米中両政府は10日からワシントンでおよそ2か月ぶりとなる閣僚級の貿易交渉を行います。トランプ政権は来週15日に、中国からの輸入品のおよそ半分に上乗せしている関税を30%に引き上げる方針で、今回の交渉で、追加関税の発動を回避できるか注目されています。
米中両政府は、10日からワシントンで2か月ぶりとなる閣僚級の貿易交渉を行い、アメリカ側はライトハイザー通商代表とムニューシン財務長官、中国側は劉鶴副首相らが出席します。

交渉では、中国によるアメリカ産の農産品の輸入の拡大など一部の分野で、先行的に合意するなどといった進展があるかどうかが焦点になっています。

ただ、アメリカ政府や議会の対中強硬派の間では、中国による知的財産権の侵害への対応などを含めた包括的な交渉の妥結を目指すべきだという意見が根強くあります。

米中の貿易摩擦の影響が世界経済に広がる中、トランプ政権は来週15日に、中国からの輸入品のおよそ半分にあたる2500億ドル分に、すでに上乗せしている25%の関税を30%に引き上げる方針です。

今回の交渉で、双方が歩み寄り、アメリカによる追加関税の発動を回避できるか注目されています。

関税上乗せ 応酬続く

アメリカと中国の間では去年7月以降、1年余りにわたって互いの輸入品に高い関税を上乗せする応酬が続いています。

米中両首脳はことし6月下旬のG20大阪サミットに合わせて首脳会談を開催し、次の関税の引き上げを見送りことし5月以来、途絶えていた閣僚級の交渉を再開することで一致。

7月末に中国・上海で閣僚級の交渉を行うと、中国側はよい雰囲気で意見が交わされたと強調しました。

ところがその直後にトランプ大統領が新たに中国からの3000億ドル分の輸入品に追加関税をかけることを表明。

これに対して、中国はアメリカからの750億ドル分の輸入品への対抗措置を打ち出しました。

さらにトランプ大統領は2500億ドル分の輸入品にすでに上乗せしている関税を、10月1日に今の25%から30%に引き上げると発表し、米中が際限ない関税引き上げを繰り返す懸念が再び高まりました。

トランプ大統領は、10月1日に予定していた関税の引き上げを「同じ日に建国70年を迎える中国側からの要請があった」として、発動を15日に延期したものの、引き続き厳しい姿勢は崩しておらず、およそ2か月半ぶりの閣僚級の交渉を控えて、その行方は依然として混とんとしています。

中国 米産農産品で歩み寄りも…

トランプ大統領が圧力を強めるのに対し、中国は、アメリカ産の大豆や豚肉など農産品の輸入拡大で歩み寄る姿勢を示しています。

閣僚級の交渉が5月にいったん、頓挫した際、中国側は国営メディアを通じてアメリカに対する批判を繰り返し、長期戦も辞さない構えを示すなど強く反発しました。

しかし、6月の首脳会談で、交渉再開で合意して以降、アメリカへの批判のトーンは抑え気味となりました。

さらに先月、トランプ大統領が中国による農産品の輸入拡大を優先する暫定的な合意に言及すると、中国側はアメリカから大豆や豚肉などの輸入契約が成立したと発表するとともに、一定量を関税上乗せの対象から外すことも明らかにしました。

中国は貿易摩擦の影響もあって景気の減速が鮮明になっていて、大統領選挙を来年に控えたトランプ大統領の関心が高い農業分野で歩み寄る姿勢を示すことで、暫定的な合意を得たい考えとみられます。

こうした思惑の背景には、中国全土でアフリカ豚コレラが流行した影響で、中国国内の豚肉価格が大幅に上昇していて、輸入豚肉の需要が高まっていることもあります。

ただ、中国は知的財産権の侵害への対応や国有企業への補助金の見直しといった問題では、アメリカ側に譲歩しないという姿勢に変わりはありません。

中国は、アメリカ側が人権問題などで圧力を強めていることにも反発しています。

アメリカ議会の委員会は先月下旬、香港での人権の尊重などを支援する法案を可決したほか、アメリカ政府も今週、ウイグル族への人権侵害への関与を理由に、中国の監視カメラメーカーなどにアメリカ企業との取り引きを禁じる措置を発表しました。

仮にアメリカ側が貿易交渉と関連してこうした問題に言及するようなことがあれば、中国側が態度を硬化させ、交渉は一層難航することにもなりかねません。