デジタル課税 新ルール案 巨大IT企業などを対象 OECD

デジタル課税 新ルール案 巨大IT企業などを対象 OECD
国境をまたいだデータのやり取りで利益を上げる巨大IT企業などへの課税について、OECD=経済協力開発機構が新たなルールの案をまとめました。
企業の利益のうち一定の割合を、国ごとの売上高の規模に応じて課税できるようにします。

グーグルやアマゾンをはじめとする巨大IT企業などは、国境をまたいだデータやサービスのやり取りで利益を上げていますが、本社や工場などの拠点がない国では十分な課税ができないと指摘されています。

OECDは実態に応じた課税ができるよう、IT企業をはじめ主に消費者向けの事業を展開するグローバル企業を対象とした新たな課税ルールの案をまとめました。

それによりますと、製造した商品の販売などによって得られる一般的な利益を除いた一定の割合を、その企業が持つブランド価値や顧客データによって世界で生み出した利益とみなします。そのうえで、この利益に対し、各国がその国での売上高の規模に応じて課税できるようにします。

OECDは、課税の対象となる利益の割合をどの程度にするかや、デジタル技術の活用の度合いに応じて課税に差を付けるかなど、詳しい仕組みについてはさらに検討するとしています。

こうした案は、来週ワシントンで開かれるG20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議にも報告され、今後およそ130か国・地域でつくる国際的な枠組みで議論が進められます。

従来ルールは「GAFA」に十分な課税できず

新たな課税ルールが検討される背景には、「GAFA」とも呼ばれる巨大IT企業が利益を伸ばす中で、従来のルールでは十分に課税できないという問題意識があります。

これまでのルールでは、その国に本社や支社、それに工場など物理的な拠点があるかが、課税できるかどうかの基準となってきました。しかし、例えば音楽の配信サービスやネット通販など、その国に拠点がなくても、国境をまたいだデータなどのやり取りで利益を上げる企業に対しては、十分な課税ができていませんでした。

このためOECDが中心となって合わせて134か国・地域が参加する国際的な枠組みを作り、新たな課税ルールの具体案を来年中に取りまとめることを目指して議論を進めています。

これまでの議論では、イギリスがIT企業に的を絞ったルールになるよう主張する一方、自国にIT企業が多いアメリカは、より広い業種が対象になるよう主張してきました。

また日本では、自動車メーカーや電機メーカーなど大企業が多く加盟する経団連がIT企業などに対象を絞るよう求めています。こうしたことから、今後の議論では課税の対象となる利益の割合を決める基準となる「利益率」をどの程度に設定するかが焦点となります。

これまでの議論では「10%を超える利益率」を基準にすべきだという意見が出されていますが、この水準であれば、日本の自動車メーカーなど比較的利益率が低い企業は対象から外れる可能性があります。

このほか、新たな課税ルールの対象となる企業の範囲を売上高によって一定規模以上の大企業に絞り込むかなども検討の課題となります。