「表現の不自由」展 午後2時すぎに再開

「表現の不自由」展 午後2時すぎに再開
愛知県で開かれている国際芸術祭で中止された「表現の不自由」をテーマにしたコーナーは8日午後2時すぎから再開されました。
8月1日から開かれている「あいちトリエンナーレ」では、「表現の不自由」をテーマに慰安婦問題を象徴する少女像などを展示するコーナーが設けられましたが、テロ予告や脅迫ともとれる電話などが相次ぎ、開幕から3日で中止されました。

芸術祭の実行委員会は金属探知機を設けるなど安全対策を強化したうえで、8日午後2時すぎからコーナーを再開しました。

会場の混乱を避けるため入場者を事前に抽せんで選び、1回当たり30人を上限としたガイドツアー形式で見てもらう予定で、再開初日のきょうは入場者数を60人程度に絞る予定です。

また、午前にはコーナーの中止に抗議して芸術祭での展示を辞退するなどしていた国内外の作家の作品も、すべて展示が再開されています。

芸術祭の会場では警備員の数を増やすなど態勢が強化されていて、午前10時の開館前から多くの人が訪れ、チケット売り場には行列ができていました。

会場を訪れた男性は「コーナーをめぐってはさまざまなことが言われていますが、自分の目でしっかり見て考えたいです」と話していました。

再開のための対策は

芸術祭の実行委員会は、「表現の不自由」をテーマにしたコーナーの再開にあたって、安全対策の強化など、対策を講じています。

このうち芸術祭の開幕から続いている抗議などの電話への対策として、愛知県庁の担当部署や展示会場に電話の専用回線を設けています。

脅迫まがいの悪質な電話を防ぐため、音声を録音をしていることを告げるアナウンスを流したり、電話が10分で切れるよう設定したりしています。

これとは別に、芸術祭の出展作家たちが抗議や問い合わせの電話を直接受けるコールセンターを8日から設置しました。

また、芸術祭の会場やその周辺で警備員を増やすなど、態勢も強化しました。

入場者の制限も行っています。会場での混乱を防ぐため、入場者を事前に抽せんで選び、1回当たり30人を上限としたガイドツアー形式でコーナーを見てもらう予定です。さらに入場にあたっては、貴重品を除く手荷物を預けてもらうほか、金属探知機によるチェックも受けてもらいます。

このほか、コーナーが中止される前にSNS上で断片的な情報が拡散し、抗議の電話やメールなどが殺到したことから、入場者による動画の撮影を禁止しSNS上での拡散を防止するとしています。

こうした対策を講じて8日からコーナーが再開されましたが、芸術祭の実行委員会は状況を見て9日以降の展示の在り方を検討することにしています。

出展作家 「美術館が生き返ったよう」

「表現の不自由」をテーマにしたコーナーとは別に、芸術祭に出展を続けてきた作家のひとりは、「コーナーを含めすべての展示が再開され、とてもうれしい。音が鳴って映像も流れていて、美術館が生き返ったようだ」と話しました。

そのうえで、「今回起きた問題は、1度起きたらすべての作家に起きうるものなので、再開された状態を守っていかなければならない。ここからがスタートだ」と話していました。

河村市長 座り込みで抗議「とんでもない」

芸術祭の実行委員会の会長代行を務める名古屋市の河村市長は午後2時ごろ、芸術祭会場の前で一時座り込みを行うなどしてコーナーの展示再開に抗議しました。

この際、河村市長は「コーナーの再開はとんでもない。私は、民間の画廊での展示をやめろとは言っておらず、国の補助金まで出るようなところでの展示はやめてくれということだ。名古屋市民、愛知県民、日本国民が展示内容を認めたということになるのは、いけない」と述べました。

このあと、河村市長は、愛知県庁の前でも抗議を行いました。

萩生田文科相「再開は実行委で判断」

萩生田文部科学大臣は、閣議のあとの記者会見で、「展覧会の開催は、主催者である『あいちトリエンナーレ』の実行委員長が判断すべき事柄だ。補助金を不交付にしたのは、申請者に不適当な行為が認められたことによるものであり、展覧会の再開の有無とは関係がない」と述べました。

また、記者団が、「補助金不交付の決定に関して、大臣の助言や指示はあったのか」と質問したの対し、「文化庁の事務方から方針案の報告を受けて了承したものであって、私から、文化庁に何か指示をしたということはない」と述べました。