卒業式会場の日本武道館が五輪で使えず 大学が式場探し

卒業式会場の日本武道館が五輪で使えず 大学が式場探し
東京オリンピック・パラリンピックの影響が意外なところに出ています。学生数が多い大学が卒業式の会場としている日本武道館が、オリンピックに伴う改修工事で使えず、大学が代わりの式場探しに追われました。
日本武道館で式典を行う大学で作る「卒業・入学式式典八大学連絡会」の幹事、法政大学によりますと、式場が使えないという連絡が来たのは3年前で、連絡会に参加している日本大学、明治大学、東洋大学などで協議し、各大学ごとに代わりの会場を探すことになったということです。

その結果、6つの大学が新たな会場として決めたのが両国の国技館でした。

しかし最近の卒業式や入学式は両親や祖父母、さらにきょうだいが出席することもあり、収容人数が日本武道館のおよそ7割の国技館では参加者を受け入れられないおそれがあるということです。

このため法政大学では、これまで制限していなかった付き添いの参加者の人数を、学生1人につき1人に制限することを決め、式典の案内に1人分の入場証を付けることにしました。

また、国技館は土俵を取り囲むように席があることから、ステージが見えない席も出てくるため、5台の大型のスクリーンを設置するほか、会場に入れない人たちのために、動画投稿サイト「YouTube」で式典の様子を配信することにしたということです。

大学4年生の男子学生は、「付き添いが1人とは残念です。ずっと学費も出してもらってたので、親に申し訳ないような気持ちになります」と話していました。

法政大学総務部庶務課の金子大輔課長は「おそらく会場まで家族が来て、入り口で1人だけの入場というケースが多いように思います。混乱がないよう対応していきます」と話していました。

各キャンパスで分散卒業式 東洋大学

日本武道館での卒業式ができないことを受け、東洋大学では、各地のキャンパスに分散して卒業式を行うことになりました。

東洋大学では毎年日本武道館で、学生や保護者など1万人以上が参加して卒業式を行っていますが、今年度は、本部がある東京の白山キャンパスや、群馬県板倉町にある板倉キャンパスなど、学部ごとに4つのキャンパスに分かれる「分散型の卒業式」を来年の3月23日に行います。

ただ卒業生が一堂に集まれる施設が各キャンパスになく、白山キャンパスでも最も大きい講堂で700人程度しか収容できないことから、教室も臨時の式場として使用することにしています。

卒業式の会場の数は、白山キャンパスだけでも30前後になる見通しで、学長が行う式辞も会場によっては、事前に収録した映像を見てもらうことになりそうだということです。

大学では、卒業証書をイメージしたオブジェをキャンパスに作って撮影ポイントにするなど、卒業ムードを盛り上げる演出も検討しています。

東洋大学の斉藤雅員広報課長は「桜が咲き誇る日本武道館で卒業式を開けないのは大変残念だが、学生が通い慣れた教室での卒業式は、特別なものとして受け止めてもらえると思っている」と話しています。