レスリング 川井 五輪内定へ 伊調馨はこの階級での出場ならず

レスリング 川井 五輪内定へ 伊調馨はこの階級での出場ならず
カザフスタンで行われているレスリングの世界選手権で、18日、女子57キロ級の川井梨紗子選手が決勝に進み、東京オリンピックの代表内定が確実になりました。
カザフスタンで行われているレスリングの世界選手権では、メダルを獲得すれば、その階級の来年の東京オリンピック代表に内定します。

女子57キロ級の川井選手は、ことし7月の世界選手権の代表決定戦でオリンピック4連覇の伊調馨選手を破って今大会に出場しました。

川井選手は、組み手争いの強さと持ち味のスピードを生かしたタックルをしかけるなどして3試合を順調に勝ち上がり、準決勝でナイジェリアの選手と対戦しました。

川井選手は序盤、相手の素早い動きをとらえきれずポイントを奪われリードを許しました。それでも低い姿勢から相手の足元をねらう鋭いタックルを決めるなど、持ち味を生かした攻撃で逆転し、6対1で勝って決勝に進み、東京オリンピックの代表内定を確実にしました。

川井選手は、19日の決勝の前に行われる計量にパスすればメダル獲得が確定し、正式に代表に内定します。

川井選手は2大会連続、2回目のオリンピック出場となり、これでオリンピック5連覇を目指していた伊調選手は、この階級での東京オリンピック出場の可能性がなくなりました。

川井「東京五輪へ弾みになるような決勝へ」

東京オリンピックの代表内定を確実にした川井選手は「きょうは、目の前の相手に負けたくないという気持ちでタックルで攻め続けたのがよかった」と振り返りました。

そして62キロ級の妹の友香子選手と一緒に出場を目指す東京オリンピックについては「姉妹一緒というのは、なかなか難しいことはわかっているが、少しずつ近づいているのは間違いない。あすもいい結果を出して東京オリンピックの弾みになるような決勝にしたい」と話しました。

そして「おめでとうございます」という報道陣に対し、「まだ、あと1試合あるのであすまでとっておいてもらえるとうれしいです」と引き締まった表情で話しました。

準決勝は、手足の長いナイジェリアの選手を相手に前半リードされるなど苦戦し「日本人にない、クセのある選手だと思いましたが、その中でも攻め切れたのは成長だったと思います。試合時間が6分間しかないから今、やりきろうという気持ちが強かったです」と振り返りました。

川井選手はオリンピック4連覇の伊調馨選手との代表争いを制しての内定となり、「馨さんに勝ってオリンピックに行きたいというのは、リオデジャネイロオリンピックの前からずっと思っていたことで、こうしていられることに幸せを感じています。チャンスを絶対ものにする、後悔したくないという気持ちでした」と話していました。

吉田沙保里さんの後継ぐ日本のエース

川井選手は、石川県津幡町出身の24歳。組み手争いの強さ、タックルに入るスピードなど、バランスの取れた攻撃的なレスリングが持ち味です。

両親ともにレスリングの選手で、小学2年生のときに母親がコーチを務める地元のクラブでレスリングを始め、愛知県にある強豪の至学館大学でオリンピック3連覇を果たした吉田沙保里さんなどとともに技を磨きました。

2016年のリオデジャネイロオリンピックでは金メダルを獲得したほか、おととしから去年にかけては世界選手権を2連覇し、吉田さんの後を継ぐ新たな日本のエースとして安定した強さを発揮してきました。

去年からは、オリンピック4連覇の伊調馨選手が同じ57キロ級で実戦に復帰したことからオリンピック金メダリストどうしで代表を争うことになり、大きな注目を集め、ことし7月の代表決定戦で伊調選手を破って世界選手権の代表の座をつかみました。

そしてこの世界選手権で決勝に進み、東京オリンピックの代表内定を確実にしました。東京オリンピックでは、2連覇を目指すとともにエースとして日本女子をけん引していく役割が求められます。

注目される伊調の進退判断

女子57キロ級で川井梨紗子選手が東京オリンピックの代表内定を確実にしたことで、この階級でのオリンピック出場を目指していた伊調馨選手が進退についてどのような判断をするのか注目されます。

35歳の伊調選手は、オリンピック4連覇を達成したあと5回目のオリンピック出場を目指して女子57キロ級で川井選手と代表争いを繰り広げてきました。

しかし、ことし7月、世界選手権の代表決定戦で川井選手に敗れ自力でのオリンピック出場がなくなり、「世界選手権の結果を待つ立場だ」と話していました。

世界選手権の結果、川井選手が東京オリンピック女子57キロ級の代表内定を確実にしたことで、この階級で伊調選手が東京オリンピックに出場できる可能性はなくなりました。

伊調選手は、都内の大学で練習を続けるなどしていますが、今回の結果を受けて、みずからの進退についてどのような判断をするのか注目されます。