イスラエル総選挙 いずれも過半数に届かず 焦点は連立交渉

イスラエル総選挙 いずれも過半数に届かず 焦点は連立交渉
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中東のイスラエルで17日に行われた総選挙は、ネタニヤフ首相が率いる右派政党と最大野党の中道会派のいずれも過半数には届かず、長期政権を維持してきたネタニヤフ首相の続投は今後の連立交渉しだいとなりそうです。
イスラエルの総選挙は17日に投票が行われ、開票が進められています。

地元メディアが伝えた出口調査の結果によりますと、ネタニヤフ首相が党首を務める右派政党「リクード」と、軍の元参謀総長、ガンツ代表が率いる中道会派「青と白」が、第1党の座をめぐり接戦となっています。一方、いずれも過半数には届かず、長期政権を維持してきたネタニヤフ首相の続投は、今後の連立交渉しだいとなりそうです。

これを受けてネタニヤフ首相は演説し、パレスチナとの和平問題に触れ、「アメリカのトランプ大統領が近く和平案を発表することになる。これにどう向き合うかが国の将来を決める」と述べてトランプ大統領との緊密な関係を改めて強調し、続投への意欲を示しました。

一方、「青と白」のガンツ代表も演説で、「イスラエル社会を立て直すための旅が始まった。われわれは幅広く団結した政府をつくることに努める」と述べて、政権の奪取に向けて連立交渉を進めていく考えを示しました。

選挙結果が確定したあと、イスラエルの大統領が各政党の意向を聞いたうえで、連立政権を組むことができると判断した政党の代表に組閣を要請することになり、政権が交代すれば中東全体の情勢やパレスチナ問題に影響するだけに注目されます。

ネタニヤフ首相 続投に意欲

ネタニヤフ首相は、テルアビブで開いた集会で「私たちに対し、批判的な報道を受ける中で厳しい選挙となったが、まずは公式な開票結果を待ちたい」と述べました。

そのうえで「イスラエルは外交・安全保障上のさまざまな課題に直面している。引き続き、イスラエルのために力を尽くしていきたい。数日以内に新政権発足に向けた連立交渉を始めたい」と述べて首相としての続投に意欲を示しました。

またパレスチナとの和平問題に触れ、「アメリカのトランプ大統領が近く和平案を発表することになる。これにどう向き合うかがイスラエルの将来を決定する」と述べ、みずからのトランプ大統領との緊密な関係を改めて強調しました。

さらにネタニヤフ首相は新たな政権にアラブ系の政党が入ってはならないという考えを示しました。

ガンツ氏 「使命を達成」

中道会派「青と白」を率いるガンツ氏は、18日未明、テルアビブの陣営の会場で支持者を前に演説しました。

この中でガンツ氏は、「正式な選挙結果を待たなければならないが、われわれは使命を達成したようだ。ネタニヤフ首相は使命を果たせず、『青と白』の理念が支持を得た」と述べ勝利への自信を示しました。

そのうえで「分断ではなく団結を。腐敗ではなく清廉さを。そして民主主義の回復を訴えてきたが、今夜、イスラエル社会を立て直すための旅が始まった。われわれは幅広く団結した政府をつくることに努める」と述べて、連立交渉をにらんで幅広い勢力に協力を呼びかけていくことを示唆しました。

極右政党党首 大連立呼びかけ

今回の選挙では世俗的な極右政党「我が家イスラエル」が勢力を伸ばし、今後の連立交渉のなかでカギを握る存在になると見られています。

投票が締め切られたあと、リーベルマン党首は演説で、「われわれには1つしか選択肢はない。『我が家イスラエル』と『リクード』、そして『青と白』からなるリベラルで愛国的な幅広い政府だ」と述べ、新たな政権は大連立が望ましいという考えを示しました。

そのうえで、「財政や安全保障の観点からも私たちは実に危機的な状況にいる。だからこそ、この国には幅広い政府が必要だ」と重ねて訴えました。

「リクード」支持者は

ネタニヤフ首相が党首を務める「リクード」の陣営の会場に集まった支持者の間からは、「ネタニヤフ首相ほど、強い指導者はおらず、必ず勝利し、続投できると信じている。開票結果を待ちたい」と話す人がいる一方で、「ネタニヤフ首相は演説しながら時折、涙を流していた。選挙は負けてしまうのかもしれない」と不安そうに話す人もいました。

「青と白」支持者は

中道会派「青と白」の陣営に集まった支持者の男性の1人は「次の政府をつくるための非常によいチャンスを得られたと思う。腐敗したネタニヤフ首相は退くときがきた」と述べ、政権交代への期待を示しました。

また、別の支持者の男性は「今回こそはわれわれの勝利を望んでいる。ネタニヤフ首相の長期政権はもう十分で、刷新が必要だ」と話していました。

PLO事務局長は

イスラエルの総選挙を受けて、PLO=パレスチナ解放機構のアリカット事務局長は「どの党が新しい政権を作ろうと、平和と安定への道は、パレスチナの領土の併合や占領の継続などではないと認識することを望む。イスラエルが占領を終えること、そして東エルサレムを首都とするパレスチナの領土を認めることが平和と安定を実現する道だ」と述べました。