通信寸断で救急搬送にも影響 千葉県内の8消防本部

通信寸断で救急搬送にも影響 千葉県内の8消防本部
台風15号による大規模な停電が起きた今月9日以降、千葉県内の少なくとも8つの消防本部で、救急搬送する際に一部の病院と電話で連絡が取れなくなるなどしていたことがわかりました。中には、通常よりも搬送に時間がかかったケースがあったということです。
千葉県では台風15号が接近した9日の未明から最大64万戸で停電が発生し、各地で固定電話や携帯電話が使えなくなったり通じにくくなったりしました。

NHKが各地の消防に取材したところ、この影響で富津市や東金市などにある少なくとも8つの消防本部で、患者の受け入れ先となる病院の電話が通じなかったり、救急隊が搬送先を探すときに使う携帯電話が通じにくくなったりしていたことがわかりました。

このうち富津市消防本部では、搬送先の候補としていた病院に電話が通じず、搬送先を探すのに通常よりも時間がかかるなどの影響が出たということです。

どの程度、遅れたのかについては現在調査中ですが、搬送の遅れによって患者の容体が悪化するなどの影響はなかったということです。

富津市の消防では

千葉県南部にある富津市を管轄する富津市消防本部では、9日の午前2時半ごろから台風による災害の通報が入り始めたといいます。

当時の状況について富津市消防本部の岩崎脩消防長は「倒木などでなかなか現場にたどりつけないというのが最初の状況だった」としています。

通報が相次ぐ中午前3時ごろには消防本部も停電し、自家発電機で電力をまかなって業務を続けましたが、新たな問題も起こりました。

救急隊が患者を乗せたあと、受け入れ先の候補となる病院に電話が通じなかったり、救急隊が病院への連絡で使う携帯電話が圏外になったりして、搬送の調整がスムーズに行えない状況になったということです。

岩崎消防長は当時の状況について「病院への連絡もままならない、収容もなかなか可能にならないという状況だったので、救急1件当たりの出動時間が延びてしまったのが事実だと思います」と振り返りました。

その後、消防本部では診療を続ける市外の病院に搬送したり、携帯電話がつながりやすい場所を探して病院と連絡を取ったりして、なんとか全員を病院に搬送したということです。

岩崎消防長は「南部の安房地区に近いエリアでは携帯電話がつながらず、海岸のほうまで行って対岸の神奈川県側の電波を拾って連絡を取ったケースもありました。試行錯誤してどうにか病院に連絡していた状況でした」と話していました。