石油施設攻撃 サウジアラビアのエネルギー相が詳細説明へ

石油施設攻撃 サウジアラビアのエネルギー相が詳細説明へ
サウジアラビアの石油関連施設が攻撃を受け、サウジアラビアのエネルギー相が日本時間の18日未明に攻撃後初めてとなる会見を開く予定で、世界的な原油価格の高騰への懸念が高まる中、サウジアラビアの原油生産への影響がいつまで続くのかに関心が集まっています。
サウジアラビアでは東部アブカイクなどの石油関連施設が14日攻撃を受け、1日の原油生産量のおよそ半分の生産が停止しました。

攻撃の被害について欧米メディアは、このうちアブカイクで不純物を取り除くなど原油を出荷するために欠かすことのできない工程を行う施設が被害を受けていて、復旧には最大数か月かかり影響が長期化するとの見方を伝えています。

今回の攻撃で原油の供給に懸念が強まったとして国際的な原油価格が大幅に上昇する中、サウジアラビアのアブドルアジズ エネルギー相が現地時間の17日夜、日本時間の18日未明に会見を開く予定です。

サウジアラビア政府は今回の攻撃の後、被害の詳細について明らかにしていないことから、会見では何らかの発言があるものとみられていて、施設の被害状況や原油の生産能力の復旧の見通し、原油の輸出状況など、今後の原油生産の影響に関心が集まっています。

石油関連施設やタンカーへの攻撃相次ぐ

サウジアラビアやその周辺では、アメリカがことし5月、イラン産の原油の輸入を全面的に禁止する措置をとって以降、石油関連施設やタンカーへの攻撃が相次いでいて、この地域で緊張が高まっています。

サウジアラビアの石油関連施設への攻撃については、ことし5月、東西に横切る原油パイプラインのポンプ場2か所が無人機による攻撃を受けて火災や軽微な損傷が出たとして、サウジアラビアは隣国イエメンの反政府勢力「フーシ派」による犯行だと主張しています。

また、ことし8月には東部の油田が無人機による攻撃を受けたことを明らかにし、反政府勢力「フーシ派」は、支配地域から1000キロ以上離れた油田を攻撃したと能力を誇示しました。

一方、タンカーへの攻撃については、サウジアラビア政府はことし5月、ホルムズ海峡に近いUAE=アラブ首長国連邦の沖合で自国のタンカー2隻を含むタンカー4隻が何らかの妨害行為を受けて、船体に損傷を受けたと発表しました。

さらにことし6月、ホルムズ海峡付近のオマーン沖で、サウジアラビアなどを出発した2隻のタンカーが無人機による攻撃を受けたとアメリカ軍が発表し、イランの関与を主張していてこの地域での緊張が高まっています。

米有力紙「米側の主張 現時点では不十分」

サウジアラビアの石油関連施設への攻撃をめぐって、アメリカ政府の当局者は、損傷を受けた施設の向きから、攻撃は北や北西の方角から行われ、イラクやイランからねらわれた可能性が高いとした分析を明らかにしています。

これについてアメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズは16日付の紙面で、衛星写真を調べた結果、アメリカが主張するのとは違った方角の壁も損傷を受けているとした分析を紹介しました。

そのうえで、安全保障の専門家の話として「発射されたのとは反対側の壁を攻撃するよう設定を変更することも可能だ」とする見立てを伝え、アメリカ側の主張は現時点では不十分だという見方を示しました。

一方、イランの影響下にあるイエメンの反政府勢力、「フーシ派」が攻撃を行ったと主張していることについては、別の専門家の「攻撃の規模や複雑さは、フーシ派がこれまでに示してきた能力をはるかに超えていた」とした分析を伝え、石油関連施設は高い精度で攻撃され、反政府勢力による犯行ではなかったという見方を示しています。

専門家「イランが間接的支援の可能性」

サウジアラビアの石油関連施設が攻撃を受けたことについて、イラン情勢に詳しい日本の専門家は、攻撃に際してイランが軍事技術の提供など間接的な支援を行った可能性が高いとの見方を示す一方、イランが攻撃を行った可能性については否定しました。

イラン情勢に詳しい慶應義塾大学の田中浩一郎教授は「衛星画像を分析するかぎり、正確に施設に命中していて、高い軍事技術が用いられている」と述べ、攻撃の精度の高さを指摘しています。

そのうえで田中教授は「こうした技術を保有しているのは周辺国ではイランしかいない。攻撃したと主張するイエメンの反政府勢力がイラン製の兵器の設計図を入手して製造した可能性が高い」と述べ、イランが軍事技術の提供などの間接的な支援を行った可能性が高いとの見方を示しました。

一方、アメリカが今回の攻撃について、イランによる犯行との見方を示したことについて、田中教授は「周辺の海域や空域ではアメリカ軍などが警戒を強めていて、イランが攻撃することは難しいのではないか」と述べ、イランによる攻撃の可能性については否定しました。

今後について田中教授は「アメリカが軍事行動を行うのであれば、近日中となる。イスラエルの総選挙の最中か、今月行われる国連総会の期間中ではないか」と述べ、場合によってはアメリカが軍事行動をとる可能性も排除できないとの見方を示しました。