ハリケーン バハマ直撃から2週間 捜索続く

大型のハリケーンが大西洋の島国、バハマを直撃してから2週間目を迎えました。被害が特にひどかったアバコ島では、依然、大勢の人が行方不明のままで、外国からの救助隊も加わって懸命の捜索が続けられています。
大西洋のバハマは、今月1日から2日にかけて大型のハリケーン「ドリアン」の直撃を受け、1万戸以上の住宅が倒壊し、52人が死亡しました。

ハリケーンの直撃から10日目を迎えた10日、NHKの取材班は、ハリケーンの直撃で特にひどい被害を受けた北部のアバコ島に入りました。

島の広い範囲で、住宅が跡形もなく崩れ、残骸が積み上げられたままになっていました。

また、住宅街の道路には、港から流されてきたとみられる複数のボートが横転していて、島からは被災者が大型船に乗って首都ナッソーへと避難していました。

アバコ島では、アメリカ軍をはじめとした外国からの救助隊も加わって行方不明者の捜索を行っていますが、道路や橋が寸断されていて依然、手付かずの地域が多くあり、発生から2週目を迎えた今も大勢の人の行方がわかっていません。

バハマ政府は12日の時点で、いまも連絡がとれていない人が1300人以上いるとしていて、ミニス首相は11日、「死者は相当数増えるおそれがある」との見通しを示しました。

また、アメリカの気象当局は、日本時間の14日も、大雨をもたらす熱帯低気圧がバハマ付近を通過すると予測していて、さらなる被害の拡大が懸念されています。

アバコ島とは

大西洋のバハマは、およそ700の島と2000以上のさんご礁からなる島で、アメリカ南部フロリダ半島の東側に位置しています。

面積は、1万3939平方キロメートルで福島県とほぼ同じです。

基幹産業は観光業で、GDP=国内総生産の半分以上を占めます。

このうち、NHKの取材班が入ったバハマ北部のアバコ島は、首都ナッソーから北におよそ150キロのところにあります。

人口は、2010年のバハマ政府の統計によりますと、1万7224人で、美しい海と旧宗主国のイギリス様式の建物が建ち並ぶ島として知られていました。

日本をはじめ各国が支援

大型のハリケーンの直撃を受けた大西洋のバハマでは、これまでに1万戸以上の住宅が倒壊し、7万人以上が食料などの緊急の支援を必要としていて、日本をはじめ世界各国が支援を行っています。

バハマの首都ナッソーやもっとも被害がひどいとされる北部のアバコ島には、アメリカやヨーロッパ各国など世界中から大量の水や米、それにおむつなどの支援物資が届いていました。

このうち、日本政府からはJICA=国際協力機構を通じてテントや毛布、そして水を入れるタンクなどが提供され、現地時間の10日に行われた贈呈式で、バハマ政府の担当者は「復旧に向けた日本の支援に感謝しています」と話していました。

バハマを管轄する在ジャマイカ日本大使館の土生川参事官は「東日本大震災に見舞われた私たち日本人には、バハマの人たちが非常に大変な状況にあることがよくわかります。日本の支援物資が少しでも早く被災者のもとに届き、役立つことを願っています」と話していました。

温暖化で大型ハリケーン相次ぐ

アメリカの研究グループは、近年、大西洋やカリブ海で大型ハリケーンが相次いで発生しているのは、温暖化による海水温の上昇が要因だとする分析結果をまとめています。

おととしは、大西洋やカリブ海で大型のハリケーンが例年の2倍にあたる6回発生し、アメリカ南部やカリブ海諸国に大きな被害をもたらしました。

その要因について、NOAA=アメリカ海洋大気局の村上裕之博士などのグループは、世界各地の海水温の変化が海水や大気の流れに与えた影響をコンピューターで分析した結果、大西洋の熱帯付近の海面水温が温暖化によって上昇したことが、最も大きな要因だと分かったとしています。

研究グループは、温暖化によって今後も大型のハリケーンが増える傾向が続くと予想しています。

村上博士は「温暖化によって今後も、ハリケーンの勢力が強くなると予想している」と述べて、警鐘を鳴らしています。