豚コレラ 関東で初確認 埼玉 秩父

豚コレラ 関東で初確認 埼玉 秩父
埼玉県秩父市の養豚場で飼育している豚が豚コレラに感染していたことが確認されました。関東地方で豚コレラの感染が確認されたのは初めてで、県は感染の拡大を防ぐため、14日中にすべてのブタの処分を行うことにしています。
豚コレラの感染が確認されたのは、埼玉県秩父市にある養豚場です。

埼玉県によりますと、11日、この養豚場から山梨県笛吹市の「山梨食肉流通センター」に出荷された豚に豚コレラの疑いがあることが分かりました。

山梨県から連絡を受けて、埼玉県が13日、この養豚場の豚を検査した結果、豚コレラに感染していることが確認されたということです。

豚コレラは人には感染せず、食べても影響はありませんが、ブタやイノシシでは下痢や高熱などの症状が出て、多くの場合、数日のうちに死に至ります。

埼玉県は13日、緊急の対策会議を開き、感染の拡大を防ぐため養豚場のすべてのブタの処分を14日中に終える方針を確認しました。

埼玉県の大野知事は「県としては封じ込めを図ることに全力を注いでいく」と述べ、感染拡大防止に全力を挙げる考えを示しました。

豚コレラは、去年9月、岐阜県内の養豚場で国内で26年ぶりに感染が確認されたあと各地で感染が相次いでいますが、関東地方で感染が確認されたのはこれが初めてです。

食肉流通センターとは

豚コレラに感染している豚が見つかった山梨県笛吹市の「山梨食肉流通センター」は、県などが出資して平成3年から運営されています。

食肉卸売市場と加工処理施設が併設された県内で唯一の施設で豚のほか、牛や馬なども取り扱っています。

山梨県によりますと豚は、県内のほか、近隣の埼玉や静岡、長野の養豚場などから出荷されていて、取り扱い量は年間およそ4万5000頭に上っています。

11日も、栃木、長野、埼玉、静岡、それに県内からおよそ170頭の豚を受け入れていましたが、12日から市場での競りを中止しています。

県によりますと、13日からセンターではすべての家畜の仕入れを取りやめたうえで、施設全体の消毒を行っていて、再開は国と協議して判断するということです。

養豚農家は心配の声

山梨県韮崎市の郊外で、200頭の豚を放牧して育てている養豚場では、県内で豚コレラに感染した豚が見つかったことで不安を感じています。

この養豚場を営む中嶋千里さんによりますと、野生のイノシシのふんなどによる感染を防ぐため、これまでも人や車の出入りを制限し、石灰をまいて消毒していますが、タイヤや靴からの感染を完全に防ぐことは難しいと考えています。

中嶋さんは「これまでに長野県でも感染したイノシシが見つかっていて、日常的に危機感がありました。うちの養豚場も出荷している山梨食肉流通センターで感染した豚が出たのは心配です」と不安をにじませていました。

また、国が貿易上不利になるとして、豚へのワクチンの投与に慎重な姿勢をとっていることについては「農家がやれることには限界がある。全国各地で殺処分が広がっている現状をみて、ワクチンを使えるようにしてほしい」と訴えていました。

8府県に 広がり懸念

去年9月以降、ブタの伝染病、豚コレラへの感染が確認されたのは、合わせて8つの府県となりました。今回、埼玉県で確認されたことで、ブタの飼育頭数が多い、北関東に広がることが懸念されています。

豚コレラは、去年9月、国内では26年ぶりに岐阜県で確認されたあと、周辺の愛知県や三重県などに感染が拡大し、これまでに13万頭余りが殺処分されています。

農林水産省は、野生のイノシシが感染を広げているとみて、イノシシの捕獲やワクチンを混ぜた餌をまくなどの対策を進めてきましたが、感染の拡大は食い止められておらず、これまでに長野県で100頭以上の野生のイノシシの感染が確認されるなど、徐々にブタの飼育頭数が多い、北関東の近隣まで広がっていました。

これまでにも、養豚業者からは、ブタへのワクチン接種を要望する声が高まっていますが、農林水産省は、ワクチンによって体内に抗体ができて、感染は防ぐものの、ウイルスに感染したブタと区別が付かなくなるため、流通や輸出に影響が出るとして消極的な姿勢を続けてきました。

農林水産省は今後、地域を限定する形でのワクチン接種が8府県に広がり懸念可能かなど、本格的な検討を行うことにしています。