シベリア抑留者遺骨問題 厚労省幹部「うれしくない発見だ」

シベリア抑留者遺骨問題 厚労省幹部「うれしくない発見だ」
NHKが入手した議事録にはDNA鑑定をした専門家が「日本人ではない」などと何度も指摘し、厚生労働省の幹部が「うれしくない発見だ」などと発言していたことが記されています。

(1)平成17年の会議

平成17年5月に開かれた会議では、シベリアで収集した57人分の遺骨について複数の専門家が「日本人じゃないですね」とか「本当に日本人かなと思ってしまう」などと指摘しています。

また、5か月後の会議でも専門家が「私には日本人のデータベースにある(DNAの)配列に見えない」などと指摘していました。

これに対し、厚生労働省の幹部は「上の方にロシア人墓地があって、何かの理由で混在してしまったのかもしれない」などと発言しています。

(2)平成19年の会議

平成19年4月に開かれた会議ではハバロフスク地方で収集した125人分の遺骨について複数の専門家が「おかしいですよね、墓地自体が」「1例も該当遺骨がない」「女性がこれだけ入っているでしょう。本当、この墓地自体の何かを疑いますよね」などと指摘しています。

一方、厚生労働省の幹部は「うれしくない発見です」「女性の遺骨だとするとうちも困ってしまう。女性の抑留者というのはいたのかという話になってしまう」とか「DNA鑑定しなければかつてはそのまま千鳥ヶ淵に納骨していたわけですからね。厳密にやったおかげでこういう話が出てくる。では今まではどうだったのだろうという議論に逆になってしまいますが」などと発言しています。

(3)平成21年の会議

平成21年2月に開かれた会議では、シベリアで収集した96人分の遺骨について専門家が「これは日本人の遺骨なのですか。この墓地は全部日本人ではない可能性もあるという意味ですか」などと質問したのに対し、厚生労働省の担当者は「そういう可能性はあります」などと答えています。

(4)平成24年の会議

平成24年6月に開かれた会議ではハバロフスク地方で収集した128人分の遺骨について専門家が「本当に日本人の埋葬地の骨を取っているのかどうかという不安がある」とか「ロシア人の方のものを持ってきておいていいのかということがある。遺骨の数が多いので気になる」などと発言しています。

そして4か月後の会議では専門家が「ほとんど日本人はいないのではないか」などと指摘したのに対し、厚生労働省の担当者が「名簿に載っている人数以上の遺骨が送還されていて女性らしい方やロシア人と思われる方々がいた」とか「ほぼロシア人が埋葬されている地域ということで遺族がDNA鑑定を希望する場合、申請があった段階で断ることを今後検討する」などと発言しています。

(5)平成30年の会議

去年3月に開かれた会議ではクラスノヤルスク地方で収集した45人分の遺骨について専門家が「日本人の典型的な(DNAの)ハプログループが今のところない」「場所が明らかに違うのではないでしょうか。この中に日本人っぽい人がいない」などと指摘し、厚生労働省の幹部が「ちょっと疑ってみる必要があるかと思うのでしっかり検証したい」などと発言しています。

(6)ことし3月の会議

ことし3月に開かれた会議ではケメロボ州で収集した2人分の遺骨について厚生労働省の担当者が「この埋葬地は先生がもしかしたら日本人ではないのではないかとおっしゃっていた埋葬地ですね」などと発言しています。