大相撲 関取最年長37歳の嘉風が引退

大相撲 関取最年長37歳の嘉風が引退
大相撲の現役の関取最年長の37歳、元関脇で十両の嘉風が12日現役を引退し、年寄・「中村」を襲名しました。
尾車部屋の嘉風は大分県佐伯市出身で、現役の関取では最年長の37歳。

日本体育大学の3年生のとき、アマチュア横綱のタイトルを獲得するなど学生相撲で活躍し、平成16年の初場所に前相撲で初土俵を踏みました。

身長1メートル77センチと角界では小柄ながら、相手の懐に入るスピードと思い切りのいい突き押しを持ち味に番付を上げ、平成18年初場所で新入幕を果たしました。

その後も長く幕内で相撲を取り、32歳となった平成26年夏場所には、史上4番目に遅い新入幕から49場所かかって新三役への昇進を果たしました。

33歳の平成28年初場所には、史上2番目に遅い新入幕から59場所かかっての新関脇となり、ベテランになってますます強さを発揮して人気を集めていました。

しかし、ことし6月、右ひざのじん帯を痛めて手術、7月の名古屋場所を全休し、西十両7枚目まで番付を下げた秋場所も初日から休場していました。

師匠の尾車親方は「今場所、途中出場はできないし、来場所も出られるか分からない」と話していて、けがの早期の回復が望めず、幕下への転落が確実となり、引退となりました。

嘉風は年寄・「中村」の襲名が承認され、今後は尾車部屋の部屋付きの親方として後進の指導に当たる予定です。

尾車親方「いい力士育ててほしい」

引退した嘉風の師匠の尾車親方は11日に三重県内の病院でリハビリを続けている嘉風から、電話で引退の申し出を受けたことを明らかにしたうえで「幕下に落ちて先も見えず、年齢も年齢なので引退したいと話があった。土俵の上で散りたかったと悔しがっていた。たくさんのいい夢を見させてもらった」と話しました。

そして「小さい体で真っ向勝負し、どこに行っても褒められ、土俵も沸いていて内心うれしかった。自慢の力士だった」と振り返りました。

今後、指導者として期待することについては「嘉風の、とにかく攻める相撲、真っ向勝負の相撲を伝授してほしい。これからのほうが長いので、悔しい思いをした分、いい力士を育ててほしい」と話していました。

八角理事長「誰とやっても大相撲に 魅力があった」

引退した嘉風について日本相撲協会の八角理事長は「誰とやっても大相撲になり、大きくなくても動きのある相撲で横綱・大関はやりづらかった。激しい動きのある相撲でお客さんも喜び、魅力があった。年齢も年齢だし、よく頑張ったと思う」とねぎらっていました。

弟弟子 友風「嘉風関の思いを継ぐ」

嘉風の弟弟子の友風は電話で引退することを告げられたということで「『お疲れさまでした。これからも長くよろしくお願いします』と伝えたら、『俺の生きがいはおまえたちだ』と言われました」と明かしたうえで「きょうも電話で『おまえの背中には俺がいると思って相撲を取れ』と言われました。精神面は嘉風関にすべて教わりました。2人分頑張りたいという気持ちはものすごく強いし、嘉風関の思いを継ぐ者としてこれから頑張りたいです」と決意を話していました。