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ヤフー ZOZO買収を正式に発表 前澤社長は辞任

IT大手のヤフーは、ネット通販事業を一気に強化するため、国内最大級のファッション通販サイトを運営する「ZOZO」を買収することを正式に発表しました。ZOZOはこれに同意していて、創業者の前澤友作氏は、12日付けで社長を辞任し、経営から身を引きました。
発表によりますと、携帯大手、ソフトバンクの子会社のヤフーは、ZOZOの株式の50%余りを取得して買収することを目指し、来月上旬にもTOB=株式の公開買い付けを行うということです。ヤフーが投じる資金は4000億円余りに上る見込みです。

ZOZOはTOBに同意していて、創業者でおよそ35%の株式を持つ前澤氏は30%程度の株式を売却するということです。

また前澤氏は12日付けで社長を辞任し、ZOZOの経営から身を引きました。

ヤフーはネット検索をはじめとするさまざまなインターネットサービスを手がけていますが、アマゾンや楽天に加え、フリマアプリのメルカリが急成長するなど、厳しい競争の中にあります。

このため年間の購入者が800万人を超えるZOZOを買収することで、若者を中心に顧客を拡大し、その物流網も生かしたい考えです。

ZOZOとしてもヤフーとの連携によって顧客をさらに増やしたい考えで、両社は今後、IT技術を活用してネット通販やキャッシュレス決済、ポイント還元など、幅広い分野で顧客を取り込む戦略を加速させる方針です。

ヤフーの川邊健太郎社長やZOZOの社長を辞任した前澤氏らは12日夕方、都内で記者会見し、今回の買収のねらいや今後の方針などを説明することにしています。

前澤社長「新社長に託し 僕は新たな道へ」

ZOZOの前澤友作社長は12日朝、ツイッターで社長を辞任したことを明らかにしました。

この中で、「ヤフーさんとZOZOは資本業務提携することとなりました。また、このタイミングで僕は代表取締役を辞任し、新社長に今後のZOZOを託し、僕自身は新たな道へ進みます」として、社長を辞任したことを明らかにしました。

そのうえで、「詳しくは本日午後5時半からの記者会見でお話しさせてください」として、12日夕方、会見し、社長を辞任したあとどうするかなどを明らかにするとしています。

ヤフー アマゾンや楽天を追い上げていくねらい

ヤフーは、ソフトバンクの創業者の孫正義氏らがインターネットの検索サイトを運営する会社として1996年に設立しました。

ネットを利用する際の玄関口、いわゆるポータルサイトとして、検索だけでなくニュース配信や電子メールなどのサービスにも乗り出しました。

1999年にはネット通販の事業に参入。利用者どうしが品物を出品して売買するオークションサイトが人気になりました。

また2012年には通販大手のアスクルと資本・業務提携を結び、家庭向けの日用品や食品の通販サービス「LOHACO」を始め、ネット通販事業を強化してきました。

ネット通販はヤフーの主力事業の1つに成長し、宿泊予約サイトなどを含めた年間の取り扱い額は2兆3000億円余りに上ります。

ただライバル・楽天は3兆4000億円に上り、ヤフーを上回っています。アマゾンも日本国内の取り扱い額を公表していませんがヤフーを上回っていると見られます。

ネット通販市場の競争はますます激しくなるのが確実で、ヤフーとしては今回のZOZO買収を通じて若年層を取り込み、アマゾンや楽天を追い上げていくねらいがあります。

ヤフーは親会社のソフトバンクと共同でスマホ決済「PayPay」に力を入れているほか、ソフトバンクの携帯電話を利用している人にネット通販のポイントを優遇し利用者の拡大に力を入れています。

ZOZO 昨年度決算は上場以来 初の減益

千葉市に本社を置く「ZOZO」は、日本最大級の衣料品販売サイトを運営し、年間812万人余りがサイトで買い物をしています。

ZOZOは会社の創業者の前澤友作社長が1998年に創業した輸入CDやレコードの通信販売の会社が前身です。

2000年には輸入CDだけでなく、複数のブランドの衣料品のネット販売を始め、2004年に「ZOZOTOWN」の運営を始めました。

当時、衣料品は店で試着をしてサイズやデザインを確かめてから買うのが一般的で、ネット販売には、なじまないと言われていました。

しかしZOZOは複数の衣料品のブランドをネット上の1か所で手軽に買えるようにしました。さらに衣料品のサイズを細かく表示することで試着をせずに服を買う、買い物のスタイルを確立させ、若い世代を中心に多くの利用者を獲得していきました。

サイトには現在およそ1300のショップが出店していて、商品の取扱高は年間3000億円を上回る規模まで拡大しました。

最近では、体のサイズを測ることができるボディースーツを顧客に無料で配り売り上げを増やす戦略を打ち出し、話題になりました。

ただ想定した売り上げ拡大の効果が得られず、昨年度の決算は上場以来、初の減益となり、成長が足踏みしました。

また去年12月から有料会員向けの割り引きサービスを始めました。しかし出店していた一部のアパレル大手から「安売りによってブランドイメージが低下する」などといった批判が寄せられ、一部のショップがZOZOでの商品の販売を見合わせる事態に発展し、サービスを終了しました。

ZOZOTOWNの売り上げは伸びているものの、顧客獲得のために打ち出した新たな取り組みにつまずきも見られ、会社の成長が足踏みしていると指摘する専門家もいます。

ことしに入ってからは、再び事業の拡大に取り組み、スマートフォンなどを使って足の形を立体的に計測するシステムを開発し、試着せずにサイズぴったりの靴を購入できるサービスを始めることにしています。

また、いったん撤退した中国に6年ぶりに進出し、独自の通販サイトやアプリを活用して日本の衣料品を中国向けに販売する事業に乗り出すことも明らかにしています。

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