パラ競泳 世界記録の鈴木に新たなライバル

パラ競泳 世界記録の鈴木に新たなライバル
パラ競泳の世界選手権の2日目、男子100メートル自由形の運動機能障害のクラスで、金メダルが有力視された世界記録保持者、鈴木孝幸選手(32)が敗れる波乱がありました。日本の第一人者の前に立ちはだかったのは新たなライバルでした。

東京パラ 金メダルの期待かかる鈴木

生まれた時から両足と右手がない鈴木選手はパラリンピック4大会連続で5つのメダルを獲得していて、東京パラリンピックでも複数の種目で金メダル獲得の期待がかかる日本を代表する選手です。
この世界選手権、鈴木選手の最初のレースとなったのが男子100メートル自由形。鈴木選手はこの種目、ことし4月の国際大会で1分21秒73の世界記録をマークしていて、予選をトップで通過した後は「勝つべきレースだと思っている」と話すなど金メダルが有力視されていました。

誤算のレース展開

決勝で鈴木選手はスタート直後からスピードに乗り、最初の50メートルは38秒88と世界記録をマークした時のタイムを上回る泳ぎでトップに立ちました。ところが前半のこのハイペースが後半の失速につながってしまい、鈴木選手は銀メダル。めざしてきた自身の世界記録更新もなりませんでした。

新たに現れたロシアのライバル

みずからのレース展開のミスとともに今回、鈴木選手が実感したのは新たなライバルの台頭です。そのライバルが鈴木選手を上回って金メダルを獲得したロシアのロマン・ズダノフ選手。レースでは後半に鈴木選手を逆転し、タイムでも鈴木選手の世界記録を0秒45更新しました。

ロシアは前回のリオデジャネイロパラリンピックでは国家ぐるみのドーピング問題で選手団の参加が認められず、ズダノフ選手も出場していなかったため鈴木選手にとってもズダノフ選手とのレースは久しぶりでした。ズダノフ選手は21歳。パラリンピックの出場経験はない若手選手です。

次こそ金メダルを

今シーズンのタイムでは4秒ほどの差をつけていたため鈴木選手はレースの結果について「少し驚いた。東京パラリンピックに向けてトレーニングをハードにやっているんだと思う」と話し意外な選手が強力なライバルにまで成長したことを実感したようでした。

それでも鈴木選手、11日のレースで手応えを感じた部分もあります。

「前半をトップで折り返せたので短距離でズダノフ選手より速く泳げている」と序盤のスピードはアドバンテージになると考えています。

鈴木選手は残り4種目、すべての種目でズダノフ選手と対決となります。新たに現れた強力なライバルに雪辱できるかどうかは東京パラリンピックでの金メダル獲得に向けての試金石となりそうです。