韓国 ムン大統領 閣議で新法相任命や検察改革に言及せず

韓国 ムン大統領 閣議で新法相任命や検察改革に言及せず
韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領は10日の閣議で、初めて出席した側近のチョ・グク法相の任命や、意欲を示している検察の改革には言及しませんでした。その一方で、日本政府による輸出管理の強化を踏まえて「日韓関係の次元を飛び越え、韓国経済100年の軸を打ち立てる」と述べ、日本への依存度が高い半導体の原材料などの国産化を進める姿勢を強調しました。
韓国のムン・ジェイン大統領は、10日午前、閣議を開き、みずからの側近で9日任命したチョ・グク法相を含む新閣僚らが初めて出席しました。

閣議の冒頭、ムン大統領は、日本政府による韓国への輸出管理の強化を踏まえて「素材・部品などの産業の競争力強化は、経済強国になるための国家戦略課題だ」と述べました。

そのうえで「日韓関係の次元を飛び越え、韓国経済100年の軸を打ち立てる」と述べ、日本への依存度が高い半導体の原材料などの国産化を進める姿勢を改めて強調しました。
ただ、娘の不正入学など疑惑が持ち上がるなかで強行したチョ法相の任命や、意欲を示している検察の改革には言及しませんでした。

一方、保守系の最大野党「自由韓国党」のファン・ギョアン(黄教安)代表は記者会見し、ムン大統領によるチョ法相の任命について「独裁の道を行くと宣言したものだ」と批判しました。

そして、「チョ法相を罷免しムン政権の暴政を防ぐために立ち上がって闘い、勝たねばならない」と述べ、国民が結束してムン政権に対抗するよう呼びかけました。

保守系主要紙 法相の任命強行強く非難

韓国の保守系の主要紙は、10日朝の紙面で、ムン・ジェイン大統領が、娘の名門大学への不正入学など、さまざまな疑惑が持ち上がるチョ・グク法相の任命を強行したことについて、強く非難しています。

このうち朝鮮日報は、国民の多くが反対するなかで任命が強行されたとして、1面に「独善の政治だ」と大きな見出しをかかげ、社説でも「民意と常識の破壊だ」と伝えています。

また、中央日報は社説で、知人の娘の名門大学への不正入学事件をきっかけにパク・クネ(朴槿恵)前大統領が弾劾に追い込まれたことに言及したうえで、同様に娘の名門大学への不正入学が疑われているチョ法相の就任を批判しました。

さらに、チョ法相の就任をきっかけに、無党派層を中心にムン政権からの支持離れが広がり、政権の政策実行力が弱まるいわゆる「レームダック化」に陥る可能性もあると指摘しています。

一方、革新系のハンギョレ新聞は、検察が一連の疑惑をめぐり、チョ法相の就任を前に家族などを捜査したことについて「政治への介入であり、国民の判断を制限しようとする傲慢な行為だった」として、検察を批判しています。