日産社長辞任 社内規定に反し4700万円多く報酬 求心力失われ

日産社長辞任 社内規定に反し4700万円多く報酬 求心力失われ
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日産自動車の西川廣人社長が来週、辞任することになりました。不透明な報酬の問題などで求心力が失われたことを理由に、取締役会が一致して速やかな辞任を求め、西川社長はこれを受け入れました。
日産自動車で取締役会の議長を務める木村康社外取締役らは9日夜、記者会見し、西川社長が今月16日付けで辞任することを明らかにしました。

取締役会が一致して速やかな辞任を求め、西川社長が受け入れたということです。

記者会見で木村社外取締役は「西川さんの問題がいろいろと発生し、社内外の求心力という意味から、このタイミングが適切だと判断した」と述べ、株価に連動した報酬を多く受け取っていた問題などで、西川社長の求心力が失われたことが辞任の理由だという認識を示しました。

一方、続いて記者会見した西川社長は「道半ばでバトンタッチすることをお許しいただきたい」と述べました。

後任は来月末までを目標に決めるとしていますが、日産はゴーン元会長の事件のあと、ぎくしゃくしているルノーとの関係に加え、低迷する業績をどう立て直すかが喫緊の課題で、トップの辞任による動揺を早期に抑えられるか、問われることになります。

また日産はゴーン元会長の事件に関する社内調査の結果も公表し、不正行為による会社の被害は総額で350億円規模に上るとして、今後、損害賠償請求などの対応を取ることを明らかにしました。

西川社長「早めにけじめをつけないといけない」

西川社長は10日未明、記者団に、「まだまだ経営上の宿題はあるが、それなりに少しずつ進んでいるので、次の体制でやってくれるのではないか。私は早めにけじめをつけないといけないと思った」と述べ、後任の社長が業績の回復などの課題に取り組むことに期待を示しました。

そのうえで、連合を組むルノーに対しては「これから話をしなくてはいけない」として辞任に至るいきさつなどをきちんと説明したいとの考えを示しました。

株価連動型の報酬制度とは

今回問題になったのは「ストック・アプリシエーション・ライト」と呼ばれる、株価に連動する形で報酬を受け取れる権利です。

日産は2003年の株主総会で導入を決め、取締役などの幹部が対象となっています。

対象者は権利を与えられると、基準となる株価で会社の株式をいったん取得したとみなされます。

この時に、報酬を受け取る権利を行使できる期間が会社から定められます。

対象となる幹部はこの期間の中で権利を行使する日を設定することになります。

権利を行使した日の株価が基準の株価と比べて上昇していれば、その差額を報酬として受け取れます。

一方、権利を行使した日の株価が基準の株価に比べて下がっていれば、この権利を使った報酬はゼロとなります。

関係者によりますと、日産の場合は、専用のシステムを使って行使日をいったん決めると、日にちを変えることはできないことになっているということです。

ただ社内調査の結果、西川社長を含む複数の幹部が社内の規定に反する形で権利の行使日を変更し、報酬を多く受け取ったことが確認されたとういうことです。

報酬をめぐる経緯

日産の西川社長が受け取った株価に連動した報酬をめぐっては、ゴーン元会長とともに起訴されたグレッグ・ケリー前代表取締役が、ことし6月に発売された月刊誌のインタビューで問題点を指摘していました。

それによりますと、西川社長は6年前、自分であらかじめ決めた行使日が過ぎたあとに株価が上昇したたため、行使する日を1週間ずらし、当初よりも約4700万円多く報酬を受け取ったとしています。

またケリー前代表取締役は、西川社長が過去に、住宅の購入費用を日産に肩代わりしてもらうことができるかと尋ねてきたこともあったとも証言しています。

このインタビューが掲載されたあと、西川社長は「法律に触れるとか、問題のあることは全くやっておらず、問題ないと思っています」と述べました。

また今月5日には「行使日を変えるよう指示したことはなく、運用上の問題だった」として、多く受け取った分を返還する考えを示しました。

関係者によりますと、この問題についての日産の内部調査では、西川社長だけでなく複数の幹部が同じように多く報酬を受け取った事例が確認されたということです。

一方、内部調査では法令違反にはあたらないとされたということです。