全国の火山概況(8月)

全国の火山概況(8月)
気象庁は9日、ことし8月の全国の活火山の活動状況や警戒すべき点について発表しました。噴火が発生したり火山活動が高まったりしているとして、全国9つの火山に「火口周辺警報」が、1つの海底火山に「噴火警報(周辺海域)」が発表されています。

火口周辺警報は9火山

今後の噴火で火口の周辺や居住地域の近くに影響が出るおそれがあるとして「火口周辺警報」が発表されているのは、
▽群馬県にある草津白根山の「白根山」「浅間山」、
▽神奈川県の「箱根山」、
▽熊本県の「阿蘇山」、
▽鹿児島県の「桜島」「口永良部島」「諏訪之瀬島」、
▽小笠原諸島の「西之島」「硫黄島」、の合わせて9の火山です。

噴火警戒レベル3は1火山

このうち、居住地の近くまで影響が出るおそれがあり「入山規制」を示す噴火警戒レベル3は「桜島」に発表されています。

桜島の「南岳山頂火口」では噴火活動は低調に経過している一方、ごく小規模な噴火が時々発生しました。

鹿児島湾奥部の姶良カルデラの地下深くには、マグマが蓄積した状態が続いているとみられ、火山ガスの一日当たりの放出量もやや多い状態が続いています。

このため気象庁は、今後も南岳山頂火口を中心に噴火が発生する可能性があると考えられるとしています。

そのうえで、南岳山頂火口と昭和火口からおおむね2キロの範囲では、大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけています。

噴火警戒レベル2は6火山

火口周辺への立ち入りが規制される噴火警戒レベル2は、草津白根山の「白根山」、「浅間山」、「箱根山」、「阿蘇山」、「口永良部島」、「諏訪之瀬島」の6つの火山に発表されています。

<浅間山>
8月7日に山頂火口で小規模な噴火が発生し、噴火警戒レベルが3に引き上げられました。
その後、地下深くからのマグマの上昇を示す地殻変動は観測されず、火山灰にも新しいマグマと考えられる粒はほとんど含まれていませんでした。
このため気象庁は、より規模の大きな噴火の可能性は低いとして8月19日に噴火警戒レベルを2に引き下げました。
ただ、その後の25日にも小規模な噴火が発生しました。
このため気象庁は、今後も小規模な噴火が発生する可能性があるとして、山頂火口からおおむね2キロの範囲では大きな噴石や火砕流に警戒し、地元自治体などの指示に従って危険な地域に立ち入らないよう呼びかけています。

<箱根山>
火山性地震が5月に増加したときから徐々に減少しているものの、その前より少ない状態には戻っていません。
箱根山周辺では、山の膨らみを示す地殻変動も観測されています。
大涌谷周辺では活発な噴気活動が続いています。
気象庁は、火山活動が高まった状態だとして、大涌谷周辺の想定火口域の中では大きな噴石に警戒し、地元自治体の指示に従って危険な地域に立ち入らないよう呼びかけています。

<阿蘇山>
7月28日に「中岳第一火口」で発生した噴火が、8月16日まで続きました。
その後も、断続的に噴火が発生しています。
火山ガスの放出量は7月下旬から8月上旬にかけて一時的に非常に多い状態となり、その後もやや多い状態で推移しました。
火口内の地面の温度も高い状態が続くなど、火山活動が高まっています。
気象庁は、中岳第一火口からおおむね1キロの範囲では、大きな噴石や火砕流に警戒し、地元自治体などの指示に従って危険な地域に立ち入らないよう呼びかけています。

<草津白根山の白根山>
湯釜付近の浅い部分で火山性地震が少ないものの継続して発生しています。
湯釜の中の水の、高温の火山ガスからくる成分の濃度は高い状態が続いています。
気象庁は、引き続き小規模な水蒸気噴火が発生する可能性があるとして、湯釜火口からおおむね1キロの範囲では、大きな噴石に警戒するよう呼びかけています。

<口永良部島>
2月以降、噴火は観測されていませんが、火山ガスの放出量はやや多い状態が続いています。
気象庁は、小規模な噴火の可能性があるとして、火口からおおむね1キロの範囲で大きな噴石や火砕流に、火口の西側のおおむね2キロの範囲では火砕流に警戒するよう呼びかけています。

<諏訪之瀬島>
御岳火口では8月、噴火がたびたび発生しました。
気象庁は、今後も火口周辺に影響を及ぼす噴火のおそれがあるとして、火口からおおむね1キロの範囲では、噴火に伴う大きな噴石に警戒を呼びかけています。

火口周辺危険は2火山

噴火警戒レベルが導入されていないものの「火口周辺警報」が発表されているのが、小笠原諸島の「西之島」と「硫黄島」です。

<西之島>
噴火が確認された去年7月ごろと比べ、火山活動は明らかに低下しています。
噴火の可能性は低くなっているものの、火口付近では噴気が確認されています。
気象庁は、今後の火山活動の推移に注意が必要だとして、火口からおおむね500mの範囲では大きな噴石に警戒するよう呼びかけています。

<硫黄島>
去年9月に海底噴火が起きたと推定され、地盤の隆起を示す変動がみられるほか、島内は全体に地温が高くなっています。
気象庁は、火山活動はやや活発で、火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生するおそれがあるとして、警戒を呼びかけています。

「福徳岡ノ場」に「噴火警報(周辺海域)」

小笠原諸島の近海にある海底火山の「福徳岡ノ場」では、周辺の海域に影響を及ぼす噴火が発生するおそれがあるとして「噴火警報(周辺海域)」が発表されています。

周辺では火山活動によるとみられる海面の変色が確認されています。

気象庁は、小規模な海底噴火の発生が予想されるとして、周辺の海域で警戒を呼びかけています。

警報なし・レベル1もリスク認識を

全国の活火山の中には、噴火警報が発表されておらず、噴火警戒レベルもレベル1の火山がありますが、過去に噴火を繰り返してきた活火山であることに変わりはありません。

長野と岐阜の県境にある北アルプスの焼岳では噴火警戒レベルは1ですが、7月27日以降、空振を伴う火山性地震がたびたび発生し、気象庁が今後の火山活動に注意するよう呼びかけています。

最新の火山情報の確認を

各地の火山活動の状況や注意点は、気象庁や各地の気象台、自治体のホームページなどで確認することができます。