韓国 チョ新法相 検察改革に意欲 疑惑の中で就任式

韓国 チョ新法相 検察改革に意欲 疑惑の中で就任式
韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領の側近で、法相に任命されたチョ・グク氏は、娘の名門大学への不正入学などの疑惑が持ち上がる中、9日午後、就任式に臨み「私が任命されたのは検察改革を仕上げるためであり、これは時代が要求する使命だ」と述べ、ムン大統領が最優先課題の1つに挙げる検察改革に取り組む意欲を示しました。
チョ新法相は9日、ムン大統領によって任命され、午後4時半から韓国法務省で行われた就任式に臨みました。

チョ法相は「私が任命されたのは、検察改革を仕上げるためであり、これは時代が要求する使命だ」と述べ、検察改革に取り組む意欲を示しました。

そして「検察は強い力を持っていながら制度的な統制装置がない。権限に対する統制装置がなければ、市民の自由と権利は脅かされてしまうことをわれわれは歴史的経験を通じてよく知っている」と述べ、検察に対する法務省の監督機能を強化していく考えを強調しました。

ムン大統領の側近であるチョ法相は、ことし7月まで大統領府で司法機関を統括する首席秘書官を務めた経緯があり、大統領が最優先課題の1つにあげる検察改革の陣頭指揮を託された形です。

しかし、チョ法相をめぐっては、娘の名門大学への不正入学や家族ぐるみでの不透明な投資などの疑惑が持ち上がり、検察が強制捜査に乗り出していて、チョ法相と検察のあつれきに加え、保守派と革新派の対立が先鋭化することも予想されます。

与党は歓迎 野党は強く反発

ムン大統領がチョ氏を法相に任命したことを韓国の与党「共に民主党」は歓迎しています。

「共に民主党」のイ・ヘチャン代表は「さまざまな議論があったが、国会の聴聞会など手続きを経て任命されたのだから、国に対する使命感を持って、忠実に職務に取り組んでほしい」と述べ期待を示しました。

これに対し、野党側は強く反発しています。

このうち、最大野党の「自由韓国党」は、緊急の議員総会を開き、今後の対応などを協議しました。

これに先立ち、ナ・ギョンウォン院内代表は、「絶望的な気持ちだ。ムン政権は民心に逆らい、公正さと正義に反する決定をした。韓国の歴史上、最も不幸な事態として記録されるだろう」と批判しました。

また、野党第2党の「正しい未来党」も会議を開き、議員からは「国民の半分以上が反対する中、任命するということは、国民との対決を選んだということだ。あらゆる手段で、退任を求めていく」などと、厳しい意見が出されました。

野党側は、チョ氏の解任を求める決議案を提出したり、政府高官などに違法行為の疑いが生じた場合、政府から独立した立場で広範囲に捜査を行うことが認められる「特別検察官」の任命を求めたりすることなど、今後、取りうる対応を検討することにしています。

ソウル市民は…

ソウル市民からは反対する声が多く聞かれました。

70代の男性は「反対だ。法を執行する人が不公正なことをしたとすれば法相の資格がない。これから、かなり混乱するのではないか」と話していました。

30代の女性は「大統領が国民の意見を尊重したのか疑問に思った。もう少しよく考えてほしかった」と話していました。

一方、50代の女性は「チョ氏のふだんの姿を見ると報道されていることが正しいとは思えないため、真実が明らかになることを望む。チョ氏がやるべきことは、検察改革を推進することだ」と述べ、チョ氏の法相任命を支持する考えも聞かれました。

チョ氏の母校 ソウル大学で抗議集会

チョ氏の法相任命が発表されたことを受けて、チョ氏の母校で、みずから教べんをとったソウル大学では9日夜、任命に反対する集会が開かれました。

主催者によりますと、集会にはおよそ500人が参加したということで、学生たちはプラカードやろうそくを持って、「法相の資格はない。すぐに辞退しろ」などと声をあげていました。

このあと学生たちはチェ氏の法相辞任を求めながら大学の構内を行進しました。

ソウル大学をめぐっては、チョ氏の息子が大学でインターンシップを行った際の書類の形式がほかの学生のものと異なっており、法科大学院の入試のために使われたのではないかとの新たな疑惑も出ており、真相の解明を求める声も聞かれました。

参加した男子学生は「自分の学校が関わっていることはとても残念だ。だからこそ自分たちが過ちを正すことに貢献しなければならないと思って集会に参加した」と話していました。