五輪マラソン代表選考“MGC” 増田明美さん解説“女子編”

五輪マラソン代表選考“MGC” 増田明美さん解説“女子編”
今月15日に迫った東京オリンピックのマラソン日本代表選考レース「MGC(=マラソン・グランド・チャンピオンシップ)」。12人が出場を予定する女子について、NHKのナビゲーターを務める増田明美さんは、後半に強い2人の選手を軸にレースは展開していくと予想しています。

増田さんの本命は…

MGCは男女とも3人の代表選手のうち2人を1発勝負で決めるレースです。厳しい基準を突破した女子の12人の選手について増田さんは「百花繚乱(ひゃっかりょうらん)で性格だけでなく、走り方や、勝負どころの考え方など、選手の特徴を知って見ると、マラソンが楽しくなります」と話しています。

中でも本命と見ているのが、後半に強い鈴木亜由子選手と松田瑞生選手です。2人はともに最後のスパートで勝負できるスピードを持ち合わせています。
(写真:鈴木亜由子選手)
鈴木選手は自己ベストが2時間28分32秒と出場選手中最も遅い選手ですが、増田さんはこのレースが夏に行われたこと、さらにレース後半のタイムが前半よりも速いことに注目し「暑さに強い、集中力がすごい、上り坂にも強い」と高く評価しています。
(写真:松田瑞生選手)
松田選手もMGCの切符をつかんだ去年の大阪国際女子マラソンで同じようにレース後半で前半よりも速いタイムをマークして優勝。増田さんは「最後の瞬発力はナンバーワン」と評価しています。

序盤は主導権争いに注目

増田さんがこの2人を止める鍵と考えているのが“早めの仕掛け”です。
ペースメーカーがいないレースで、序盤の主導権を誰が握るかに注目しています。増田さんが挙げたのは、同じチームで複数の選手を擁する「天満屋」と「ワコール」の選手たちです。
(写真:前田穂南選手)
天満屋では先行逃げ切りを得意とする前田穂南選手。
ワコールでは過去4回のオリンピックに出場し経験豊富な福士加代子選手の名前を挙げました。
(写真:福士加代子選手)
増田さんは「前半の15キロぐらいでゆっくりとした集団だったら、誰かが動きます。比較的速いペースで行けば主導権をとれると思います」と予想します。

折り返し点で“早めのスパート”の可能性

中盤からは、ふたつの折り返し地点に着目しました。
25キロと33キロ、ともに前後の差がわかるポイントで、早めのスパートを仕掛けてくる可能性があります。
特に33キロの皇居付近の折り返し地点は、強い日ざしを遮るものがなく疲れがいちばん出てくるところで、増田さんは「勝つ選手は、人が嫌がるところでレースを動かします」と話し、暑さを制することが勝負を分ける要因になると見ています。

最大の試練“終盤の上り坂”

そして、終盤35キロすぎからは最大の試練となる上り坂が待ち受けます。
増田さんは本命に推す鈴木選手と松田選手が残っていれば優位は動かないと見ていて、この2人に勝つには、ここで前に出ている必要があると指摘しています。

ニューヒロイン誕生に期待

“低迷”と言われて久しい女子マラソンは、シドニーとアテネで2大会連続の金メダルを取った黄金期からすでに15年がたちました。

増田さんは「私は今回のMGCで『風穴があく』と思います。新しいスターが誕生する気配を感じます。東京オリンピックさながらの興奮が見る側にもありますし、選手たちにとっても緊張感があります。日本最強を決める大会で自信をつけた選手は、来年メダルをねらうでしょう」と低迷を打破するニューヒロインの誕生に期待しています。