ムン大統領 疑惑のチョ氏 法相に任命

ムン大統領 疑惑のチョ氏 法相に任命
韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領は、娘の名門大学への不正入学などの疑惑が持ち上がっている側近のチョ・グク氏を法相に任命し、午後2時から、チョ氏をはじめ6人の新閣僚に任命状を手渡しました。ムン大統領は、「明白な違法行為が確認されていないのに、疑惑だけで任命しなければ、悪い先例になる」と述べ、国民に理解を求めました。
韓国のムン・ジェイン大統領の側近、チョ・グク氏をめぐっては、娘の名門大学への不正入学や、家族ぐるみでの不透明な投資などの疑惑が持ち上がっていて、検察が強制捜査に乗り出しています。

こうした中、ムン大統領は9日、チョ氏を法相に任命し、午後2時からチョ氏をはじめ6人の新閣僚に対し任命状を手渡しました。

このあとムン大統領は、チョ法相の任命について「大統領として深く悩んだが、原則と一貫性を守ることがより重要だと考えた」としたうえで、「明白な違法行為が確認されていないのに、疑惑だけで任命しなければ、悪い先例になる」と述べ、国民に理解を求めました。

ムン大統領が、疑惑の渦中にある側近の、司法行政のトップへの任命を強行したことに対し、保守系の最大野党「自由韓国党」の幹部は、「民心に逆らう決定であり、憲政史上、最も不幸な事態として記録されるだろう。可能なすべての方法で闘っていく」と述べ、強く反発しています。

チョ・グク氏をめぐる疑惑とは

ムン・ジェイン大統領が新しい法相に任命したチョ氏をめぐっては、娘が不正に大学に入学したり、税金を逃れるために家族ぐるみで不透明な投資や資産隠しを行っていたりしたとされるなど、さまざまな疑惑が相次いで浮上していました。

とりわけ、厳しい学歴社会の韓国で、若者を中心に批判が強まっているのが、チョ氏の娘に関する疑惑です。

韓国メディアによりますと、チョ氏の娘は、高校生の時に発表された医学論文で共同執筆者の筆頭に名前が記されていたことが明らかになり、この医学論文を業績として内申点を稼ぎ、2010年、名門のコリョ(高麗)大学に筆記試験無しで合格したということです。

また、チョ氏の娘は大学のあと、南部プサン(釜山)にある医療専門大学院を受験した際、チョ氏の妻が教授を務める大学から表彰状を受けたと履歴書に記載していますが、この表彰状をチョ氏の妻が偽造した疑いも出ていて、検察は、今月6日、チョ氏の妻を私文書を偽造した罪で在宅起訴しました。

さらに、医療専門大学院に在学中には、3年間にわたって、娘が奨学金を不正に受け取っていた疑惑も取り沙汰されています。

このほか、チョ氏をめぐっては、家族ぐるみでの不透明な投資の疑惑も出ていて、検察は9日、資金を運用していた会社と投資先の会社の代表2人について、横領などの疑いで逮捕状を請求しました。

一連の疑惑をめぐって逮捕状が請求されるのはこれが初めてです。

チョ氏は、今月2日に11時間にわたる記者会見を行ったのに続き、6日には14時間にわたって国会での聴聞会に出席し、一貫して疑惑を否定していましたが、「わからない」とか「確認する」とかといった回答も目立ち、疑惑を完全に払拭(ふっしょく)するまでには至っていませんでした。