豚コレラ発生から1年 感染 後を絶たず ワクチン接種検討も

豚コレラ発生から1年 感染 後を絶たず ワクチン接種検討も
ブタの伝染病、豚コレラが国内で26年ぶりに発生してから9日で1年になります。感染はいまも後を絶たず、農林水産省は、養豚業者などから要望する声が出ている感染を広げないためのブタへのワクチン接種を行うかどうか、今後、本格的に検討することにしています。
豚コレラは去年9月、岐阜県の養豚場で発生が確認されたあと、合わせて7つの府県に拡大し、これまでに13万頭を超えるブタが殺処分されています。

農林水産省は、豚コレラウイルスに感染した野生のイノシシが感染を広げているとみてイノシシの捕獲やワクチンを混ぜた餌をまくなどの対策を進めていますが、感染はいまも後を絶たず、短期間での終息は難しい状況です。

農林水産省は、対策に効果があるとされるブタへのワクチン接種について、体内に抗体ができて、感染は防ぐものの、ウイルスに感染したブタと区別が付かなくなるため、流通や輸出に影響が出るとして消極的な姿勢を続けてきました。

一方で、岐阜県などの養豚農家からは、ブタへのワクチン接種を認めるよう求める声が高まっており、農林水産省は地域を限定する形での接種が可能かなど、今後、本格的に検討することにしています。

農林水産省の小倉弘明大臣官房審議官は「生産者の方々からワクチン接種を望む切実な声があるのは理解しており、実現が可能なのかどうか、しっかりと検討していきたい」と話しています。

新型ワクチンの研究開発進む

ブタの伝染病、豚コレラへの感染を防ぐため、ワクチンの接種が検討されていますが、ブタの体内にできる抗体がワクチンによるものか、感染によるものか見分けがつかず、感染したブタと同様に扱われ、流通に影響が出かねないことが課題になっています。

北海道大学の研究グループは、国内で初めて、これを見分けられる特殊なワクチンの開発を進めています。研究を行っているのは、北海道大学の迫田義博 教授のグループです。

研究グループは、毒性を弱くした豚コレラのウイルスに別のウイルスの遺伝子の一部を組み込んだワクチンを開発しています。

このワクチンをブタに接種すると、豚コレラに対する抗体とともに、別のウイルスに対する抗体もできるため、ワクチンを接種したことが明確に分かるということで、ブタの流通や輸出の際に感染していないことを示せるとしています。

こうしたタイプのワクチンは、「マーカーワクチン」と呼ばれ、ヨーロッパで備蓄している国がありますが、国内で開発が進められるのは初めてです。

迫田教授は、国内で流行している豚コレラウイルスなどの遺伝子を詳しく調べ、別のウイルスをどう組み込むか決めるなど、実用化に向けて研究を進めることにしています。

迫田教授は「今後、豚コレラの感染を広げないために、国や製薬会社の協力も受けて実用化を進めていきたい」と話しています。